HOKUTO通信
6日前

大学病院で働く若手医師の半数以上が、 将来は大学病院を離れたいと考えているーー。 全国医学部長病院長会議 (AJMC)、 国立大学病院長会議、 日本私立医科大学協会の3団体は2026年10月16日、 文部科学省で合同記者会見を開き、 こうした調査結果を公表した。
調査は文科省の委託事業として2025年9月30日から10月31日に実施し、 大学病院に勤める助教・医員・専攻医・研修医1936人が答えた。 「大学病院以外の医療機関で勤務したい」 が55.8%、 「引き続き大学病院で勤務したい」 は36.7%だった。

大学病院を離れたい理由は複数回答で、 「労働環境が良い」 が63.8%、 「給与が高い」 が61.0%と並んだ。 一方、 大学病院に残りたい理由の上位は 「研究力を向上したい」 56.3%、 「高度な医療技術を身につけたい」 54.9%だった。 残る側の動機は研究と技術、 離れる側の動機は待遇と働き方にある。

都内の大学病院に勤務する30代の男性医師は 「責任感とやる気だけではどうにもならない。 近い将来というか今すぐにでも辞めたい。もう限界」 と明かす。
会見では処遇の数字も示された。 大学病院からの給与は、 助教の50.1%が700万円未満。 研究にあてられる時間は週5時間以下が助教で63.4%、 医員で69.4%に上る (AJMCの働き方改革アンケート、 2026年1月)。

背景には経営の悪化がある。 国公私立81大学病院の経常損益は、 2024年度が508億円の赤字、 2025年度が493億円の赤字だった。 設置区分別にみると国立と公立は改善した一方、 私立だけが131億円から192億円へと赤字を広げている。

3団体は国に対し、 老朽化した施設・設備への緊急支援を単年度ではなく複数年度で行うことと、 補正予算に頼らない恒常的な教育研究支援を求めた。 自治体には、 大学病院が医師派遣などを通じて地域医療を支え続けられるような支援を求めている。
全国医学部長病院長会議・国立大学病院長会議・日本私立医科大学協会 合同記者会見 (2026年10月16日)

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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