海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前

Minらは、 左室駆出率 (LVEF) が低下した心不全 (HFrEF) 患者、 およびその後にLVEFが改善し心不全 (HFimpEF) へ移行した一部患者を対象に、 その移行率、 HFimpEF患者の疫学、 ガイドラインに基づく薬物療法 (GDMT) の実施状況および転帰を、 多施設統合医療提供システムを用いた後ろ向きコホート研究で検討した。 その結果、 HFrEF患者の30.6%が12ヵ月以内にHFimpEFへの移行を経験していた一方で、 移行後も依然として重大な臨床リスクは残存していた。 本研究はJACC誌において発表された。
LVEF測定の時期や頻度にばらつきがあり、 また欠落もあること、 ARNIやSGLT2阻害薬の使用率が低いことなどがlimitationとなります。
HFimpEFは、 HFrEFに対する新たな薬物療法が利用可能となり、 実施されるにつれ増加すると予想される。 しかし、 この臨床病態に関する最新の疫学、 管理、 転帰に関するデータは限られている。
そこで本研究では、 大規模で多様な多施設統合医療提供システムを用いて、 HFimpEF患者の疫学、 GDMTの実施状況および転帰を検討した。
Kaiser Permanente Northern Californiaの統合型医療提供システムにおいて新たにHFrEFと診断された患者、 およびその後にHFimpEFへ移行した一部患者を対象として、 その移行率*、 GDMTの実施率**、 心不全悪化イベントおよび死亡率 (HFimpEFへ移行した患者 [HFimpEF群] vs 移行しなかったHFrEF患者 [持続性HFrEF群]) を評価した。
新たにHFrEF (平均左室駆出率 31.1%±7.4%) と診断された患者2万8,292例のうち、 8,656例 (30.6%) が12ヵ月以内にHFimpEFを経験した。
心不全悪化率は、 HFimpEF群で17.4人/100人年 (95%CI 16.9-18.0人/100人年)、 持続性HFrEF群で34.1人/100人年 (95%CI 33.5-34.6人/100人年) であった (HR 0.58 [95%CI 0.55-0.61])。
死亡率は、 HFimpEF群で5.7人/100人年 (95%CI 5.4-6.0人/100人年)、 持続性HFrEF群で11.0人/100人年 (95%CI 10.7-11.3人/100人年) であった (HR 0.52 [95%CI 0.49-0.56])。
研究期間中、 HFimpEFへの移行後のGDMT実施率は、 ほとんどの薬剤カテゴリーでわずかに減少した。 GDMTの中止は、 臨床リスクの増加とわずかに関連していた。
著者らは 「HFrEF患者の相当数がLVEFの改善を経験しHFimpEFへ移行したが、 依然として重大な臨床リスクが残存した。 HFimpEF患者におけるGDMTの持続的な遵守と治療の最適化が転帰に及ぼす影響を評価するには、 さらなる研究が必要である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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