【JAMA】活動性の潰瘍性大腸炎の治療にolamkicept隔週投与が有望
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【JAMA】活動性の潰瘍性大腸炎の治療にolamkicept隔週投与が有望

【JAMA】活動性の潰瘍性大腸炎の治療にolamkicept隔週投与が有望
Zhangらは、 活動性の潰瘍性大腸炎 (UC) 患者を対象に、 導入療法としてのIL-6阻害薬olamkiceptの有効性を検討するの無作為化二重盲検プラセボ対照第Ⅱ相試験を実施。 その結果、 olamkiceptの2週間ごとの静脈内投与のうち、 600 mgはプラセボと比較して12週間後に臨床的な効果がより高い可能性が示された。 本研究は、 JAMA誌において発表された。

📘原著論文

Effect of Induction Therapy With Olamkicept vs Placebo on Clinical Response in Patients With Active Ulcerative Colitis: A Randomized Clinical Trial.JAMA. 2023 Mar 7;329(9):725-734.PMID: 36881032

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

プラセボでも約1/3に臨床効果を認めている点は注目です。 さまざまな民間療法が従来治療で効果不十分な自己免疫疾患に対して効果をうたっていますが、 本研究結果を見れば、 比較対象試験の重要性がはっきりと理解できると思います。

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Mayo スコア

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Lichtiger index

重症の潰瘍性大腸炎に対するシクロスポリンの有効性スコア

UCEIS

潰瘍性大腸炎の内視鏡的活動スコア

背景

可溶性gp130-Fc融合タンパク質であるOlamkiceptは、 可溶性IL-6受容体/IL-6複合体に結合することにより、 IL-6のトランスシグナルを選択的に阻害する。 また、 免疫抑制を伴わない炎症性マウスモデルにおいて、 抗炎症活性を示した。

研究デザイン

対象

活動性の潰瘍性大腸炎 (Mayo総スコア≧5、 直腸出血スコア≧1、 内視鏡スコア≧2) で、 従来の治療では効果が不十分な成人患者:91例

介入

患者を以下の群に1:1:1の割合で無作為に割り付け。

  • olamkicept 600mg群: 30例
  • olamkicept 300mg群:31例
  • プラセボ群: 30例
隔週点滴静注を12週間実施。

主要評価項目

12週目の臨床効果

試験開始時点のMayoスコア合計から3以上かつ30%以上の減少、 直腸出血が1以上の減少かつ1以下と定義。

副次評価項目

12週時点の臨床的寛解と粘膜治癒を含む25の有効性アウトカム。

研究結果

主要評価項目

12週時点における臨床効果の達成は、 olamkicept 600mg群および300mg群の方がプラセボ群よりも高かった。

  • Olamkicept 600mg群:58.6% (29例中17例)
調整後の対プラセボ差:26.6%、 (90%CI 6.2-47.1%、 P=0.03)
  • Olamkicept 300mg群:43.3% (30例中13例)
調整後の対プラセボ差:8.3% (90%CI -12.6-29.1%、 P=0.52)
  • プラセボ群:34.5% (29例中10例)

副次評価項目

olamkicept 600mg群では、 25項目中16項目、 300mg群では、 25項目中6項目がプラセボと比較して有意に高かった。

安全性評価

治療関連の有害事象

  • olamkicept 600mg群:53.3% (30例中16例)
  • olamkicept 300mg群:58.1% (31例中18例)
  • プラセボ群:50% (30例中15例)

頻度の多い有害事象

薬剤関連の有害事象として最も多かったのは、 尿中ビリルビン存在、 高尿酸血症、 アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ値の上昇で、 いずれもプラセボと比較してオラムキセプト群で多くみられた。

結論

UC患者におけるolamkiceptの隔週投与のうち、 600 mgはプラセボと比較して12週間後に臨床的な効果がより高い可能性があったが、 300 mgではそのような傾向は見られなかった。 長期的な有効性と安全性を評価するために、 さらなる研究が必要である。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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