海外ジャーナルクラブ
1年前
Kentらは慢性腰痛の患者を対象に、 運動センサーのバイオフィードバックを併用した認知機能療法 (CFT) と併用しないCFTの有効性と経済性を対照3群並行群間第Ⅲ相無作為化試験で検討。 結果、 CFTは通常ケアに比べ、 低い社会的コストで高い持続的な効果をもたらすことが明らかとなった。 本研究はLancet誌において発表された。
CommentにRESTORE seems to be somewhere between investigating efficacy and effectivenessという表現があります。 アカデミアの観点からはすごいことです。
腰痛は、 世界的に障害を伴う生活年数の主な原因となっているが、 ほとんどの介入療法は、 短期間しか効果が持続せず、 その効果も軽度から中等度である。 CFTは、 痛みや障害の原因となる、 痛みに関連した有益でない認知、 感情、 行動を対象とした個別アプローチである。 運動センサーのバイオフィードバックは、 その治療効果を高める可能性がある。
3カ月以上続く腰痛と中等度の身体活動制限がある成人患者
患者は以下の群に1:1の割合で無作為に割り付けられた。
24点式ローランド・モリス障害質問票をもちいて事故申告した13週時点の活動制限
質調整生存年 (QALY)
CFT群、 CFT+バイオフィードバック群のいずれも、 13週時点の活動制限に対して、 通常ケアよりも有効であった。
効果の大きさは52週においても同様であった。
CFT群、 CFT+バイオフィードバック群のいずれもQALYにおいて通常ケアよりも有効であり、 社会的コストにおいてもはるかに少なかった。
直接・間接コストと生産性損失;-5276豪ドル (-10,529--24) と-8211豪ドル (-12,923--3500)
CFTは、 通常の治療よりもかなり低い社会的コストで、 慢性的な障害性腰痛を持つ人々に対して、 大きく持続的な改善をもたらすことができる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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