海外ジャーナルクラブ
29日前
van Asらは、 限局性前立腺癌の患者を対象に、 体幹部定位放射線治療 (SBRT) の有効性と安全性を第Ⅲ相国際共同非盲検無作為化比較試験PACE-Bで検討した。 その結果、 SBRTの5分割照射は対照放射線治療に対して、 生化学的または臨床的再発において非劣性であることが示された。 本研究は、 NEJM誌にて発表された。
身体的負担とともに、 社会全体の経済的負担が減少することが本文に記載されています。 非劣性研究は派手さはないのですが、 社会が今後求めるものとなります。
欧州26カ国・40年間の変遷 : 前立腺癌の発生率・死亡率、 スクリーニングの影響
限局性前立腺癌に対しては低分割放射線治療が標準治療法として広く行われているが、 SBRTは短期間で治療を完了できる可能性がある。
しかし、 SBRTが生化学的再発または臨床的再発に関し、 従来の分割照射法または中程度寡分割照射法と比して非劣性であるかは不明である。
T1期またはT2期の前立腺癌で、 グリーソンスコア3+4以下、 前立腺特異抗原 (PSA) 値20ng/mL以下の男性患者874名を対象に、 以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は生化学的再発または臨床的再発がないこととされた。 また、 非劣性のHRの臨界値は1.45と設定された。
追跡期間中央値74.0ヵ月の時点で、 生化学的再発または臨床的再発なしの5年間の発生率はSBRT群で95.8% (95% CI 93.3-97.4)、 対照群で94.6% (同91.9-96.4) であり、 SBRT群の非劣性が示された 。
5 年の時点における晩期の米国腫瘍放射線治療グループ (RTOG) Grade 2以上の泌尿生殖器毒性の累積発生率は、 SBRT群で26.9% (95%CI 22.8-31.5)、 対照群で18.3% (同14.8-22.5) であった (p<0.001)。
晩期のRTOG Grade 2以上の消化器毒性の累積発生率は、 SBRT群で10.7% (95% CI 8.1-14.2)、 対照群で10.2% (同7.7-13.5) であった (p=0.94)。
著者らは「5分割のSBRTは、 生化学的再発または臨床的再発に関して、 対照放射線治療に対して非劣性であり、 低リスク~中リスクの限局性前立腺癌患者に対する有効な治療選択肢となり得る」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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