海外ジャーナルクラブ
25日前

国立がん研究センター東病院消化管内科・消化管腫瘍内科の桶本大氏らの研究グループは、 HER2陽性の転移性胃癌/胃食道接合部癌 (mGC/GEJC) を対象に、 抗HER2抗体薬物複合体トラスツズマブ デルクステカン (T-DXd) 治療におけるclaudin18.2 (CLDN18.2) 発現の影響を後ろ向き研究で検討した。 その結果、 CLDN18.2陽性例ではT-DXdの有効性が低下する可能性が示された。 研究結果はESMO Gastrointestinal Oncology誌に発表された。
CLDN18.2の評価時期は症例間で一様ではなく、 治療前検体を基本としたものの一部では抗HER2療法施行中または施行後に採取された検体が含まれていた点はlimitationです。
HER2陽性のmGC/GEJCでは、 HER2を標的とした治療が標準的に用いられている。
タイトジャンクション分子であるCLDN18.2も新たな治療標的として注目されているが、 HER2陽性例におけるCLDN18.2発現が治療成績に与える影響は明らかでなかった。
本研究は単施設の後ろ向きコホート研究である。 HER2陽性のmGC/GEJCに対しT-DXd治療を受けた患者を対象とし、 CLDN18.2陽性 (腫瘍細胞の75%以上で免疫染色2+以上) と陰性で治療成績を比較した。
解析は、 下記の2コホートで行われた。
全体コホート : 87例
一次治療前にHER2陽性と診断された全体集団
HER2維持コホート : 30例
T-DXd治療直前にもHER2陽性が維持されていた集団
全体コホートにおいて、 無増悪生存期間 (PFS) 中央値は、 CLDN18.2陽性例では、 陰性例と比べて有意に短かった (3.9ヵ月 vs 5.3ヵ月、 HR 1.87、 95%CI 1.04–3.34、 P=0.036)。 多変量解析後も同様の傾向が維持され(調整HR 1.82、 95%CI 1.02–3.28、 p=0.047)、 CLDN18.2陽性はPFS短縮と独立して関連していた。
全生存期間 (OS) 中央値は短縮傾向を認めたものの、 有意差には至らなかった (8.6ヵ月 vs 11.2ヵ月、 HR 1.36、 95%CI 0.76–2.45、 P=0.30)。
HER2維持コホートでは、 CLDN18.2陽性症例においてPFS中央値 (3.2ヵ月 vs 8.0ヵ月、 HR 3.40、 95%CI 1.38–8.40、 P=0.008) およびOS中央値(7.1ヵ月 vs 12.9ヵ月、 HR 2.44、 95%CI 1.04–5.74、 P=0.041) のいずれも有意に短縮していた。
著者らは 「CLDN18.2陽性はHER2陽性mGC/GEJCにおいてT-DXdの有効性を減弱させる可能性があり、 HER2とCLDN18.2の二重標的治療の妥当性を支持する」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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