海外ジャーナルクラブ
1年前
Planchardらは、 EGFR変異陽性の進行性非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬 (EGFR-TKI) オシメルチニブと化学療法の併用療法の有効性と安全性を第Ⅲ相国際共同非盲検試験FLAURA2で検討した。 その結果、 オシメルチニブと化学療法の併用療法は、 オシメルチニブ単剤と比較し、 無増悪生存期間 (PFS) を有意に改善した。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
オシメルチニブの製薬メーカーがスポンサードしてそれに化学療法の併用効果の有無を評価する本研究のようなRCTができるのは、 それ以外の領域からすると羨望の眼差しです。 一次治療の選択の十分な根拠となる研究成果と言えます。
オシメルチニブは第Ⅲ世代のEGFR-TKIであり、 化学療法を追加することにより効果が延長する可能性があることが示唆されている。
局所進行 (ⅢB~ⅢC期) または転移性 (Ⅳ期) のEGFR変異陽性NSCLC
患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付けた。
担当医および盲検下中央判定 (BICR) の判定に基づくRECIST1.1基準によるPFS
主要評価項目
オシメルチニブ+化学療法群において、オシメルチニブ単剤群に比べPFSを有意に延長した。
HR 0.62 (95%CI 0.49-0.79、 p<0.0001)
24ヵ月時点におけるPFS率
BICR評価によるPFS
BICR評価によるPFSも主要解析と一致していた。
HR 0.62 (95%CI 0.48-0.80、 p=0.0002)
客観的奏効 (完全奏効または部分奏効)
奏効期間中央値
Grade3以上の有害事象の発現率
単剤群よりも併用療法群において高かった。
安全性プロファイル
オシメルチニブ+ペメトレキセド+プラチナ製剤の安全性プロファイルは、 既報と一致していた。
未治療のEGFR変異陽性のNSCLCに対して、 オシメルチニブと化学療法の併用療法は、 オシメルチニブ単剤療法と比較してPFSを有意に延長した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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