寄稿ライター
1年前
資産形成の手段として、 不動産投資を考えたことありますか? 「多忙な医師にオススメ」 といった謳い文句がある一方、 空室や価格下落などリスクに関する情報も溢れかえっています。 連載 「医師とお金・考」 の最終回では、不動産投資の基本からメリットやリスクなどについて詳しく解説します。
不動産投資とは銀行から融資を受け物件を購入し、 家賃収入の中からローンを返済することで、 自身のお金を使わずにインカムゲイン (家賃収入) やキャピタルゲイン (売却による利益)、 節税効果などを得る投資手法です。
1.節税効果
医師は所得が高いため、 税額もそれに比例して増加します。 不動産投資を活用すると、 減価償却費や利息などを経費として計上し、 帳簿上の赤字にすることで課税所得額を減らすことができます。
相続税では、 建物・土地ともに時価より評価額が低くなる傾向があります。 賃貸運用においても、 借地権割合・借家権割合を差し引けるため、 現金での相続と比べ、 資産評価額が30%~50%程度低くなり、 節税が期待できます。
2.安定した不労収入
不動産投資はローンを組んで不動産を購入し、 家賃収入を得ながら月々のローンを返済します。 ローンを完済後は、 家賃収入がほぼそのまま手元に残り、 退職後の生活資金として利用することが可能です。
3.保険
ローンで不動産投資物件を購入する場合、 自宅の住宅ローンと同様、 団体信用生命保険 (団信) やがん団信に加入します。 そのため、 万が一がんと診断されたり、 死亡したりした場合、 残債が団信により一括返済され、 ローンを完済した物件を得ることが出来ます。
一方、 リスクも存在します。
1.空室
所有物件に入居者が入らなかった場合、 家賃収入は入りません。 ただ、 物件選びや管理会社の選定、 サブリースの活用などでリスクを一定軽減できることもあります。
2.不動産価格の下落
景気や周辺の開発状況などの外的要因で、 所有物件の価格が下がる可能性があります。 何よりも物件選びがポイントとなるため、 地域の都市開発計画などを調べる必要があります。
3.資金の流動性
株式などと異なり不動産は流動性が低く、 売却を考えてもすぐに買い手が見つからない可能性があります。 購入時に需要を見極め、 出口戦略も考えた上での検討が必要となります。
1.節税額が大きい
医師は一般の会社員と比べても高所得であることから、 相対的に不動産投資による所得税、 住民税、 相続税の節税額も大きくなります。
2.銀行から融資を受けやすい
40代会社員の平均年収が約443万円 (※1) とされてますが、 医師は1,378万円です (※2)。 通常の3.4倍もの融資が受けられることは医師の特権です。
3.多忙でも管理不要
物件の管理は不動産管理会社に業務委託できるため、 多忙な医師でも管理ができ、 不労所得が得られます。 高収入である一方、 労働時間や拘束時間が⾧い医師にとって、 不動産投資は向いているといえます。
不動産投資には、 分譲マンションの一室を所有する「区分投資」、 アパートやマンションを1棟丸ごと所有する「一棟投資」、 所有する一戸建住宅を賃貸し家賃収入を得る「戸建て投資」があります。
それぞれのメリット、 デメリットは以下のとおりです。
不動産投資は高所得で忙しい医師に比較的向く資産形成の手段の一つです。 節税と安定した不労収入の獲得は魅力的ですが、 リスク管理も必要です。
不動産投資会社や物件の選び方、 投資・節税スキームもさまざまですので、 情報を比較検討しながら、 可能であれば専門家の意見も取り入れることをおすすめします。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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