海外ジャーナルクラブ
3日前

Akerboomらは、 活動性癌で急性肺塞栓症 (PE) が疑われる患者を対象に、 YEARSアルゴリズムに基づく診断戦略がCT肺動脈造影 (CTPA) 単独戦略に対して非劣性を示すかを検証するオープンラベル非劣性試験 (Hydra study) を実施した。 その結果、 PE除外後90日以内の症候性静脈血栓塞栓症 (VTE) またはPE関連死の発生率は、 per-protocol集団においてYEARS群1.8%、 CTPA単独群5.5%であり、 YEARSアルゴリズムに基づく診断戦略の非劣性が示された。 また、 YEARS群では22%の患者でCTPAを回避できた。 本試験結果はJAMA誌に発表された。
症例数が限られており、 原発癌の部位や病期別のサブグループ解析は実施できませんでした。
YEARSアルゴリズムは急性肺塞栓症 (PE) を安全かつ効率的に除外する手法だが、 癌患者における精度についてのエビデンスは不足しており、 現行ガイドラインは癌患者ではCT肺動脈造影 (CTPA) へ直接進むことを提案している。
そこで、 活動性癌での急性PE除外におけるYEARSアルゴリズムとCTPA単独の安全性と効率性を比較した。
欧州6ヵ国21施設で実施された研究者主導の非劣性オープンラベル無作為化比較試験 (Hydra study)であり、 アウトカムは盲検下で中央判定された。 活動性癌で急性PEが疑われる患者698例を組み入れ、 以下2群に1:1で無作為に割り付けた。
主要評価項目はPE除外後90日以内に中央判定された症候性静脈血栓塞栓症 (VTE) またはPE関連死とし、 per-protocol集団で非劣性を評価した*。 主要な副次評価項目はベースラインの陰性CTPA割合であり、 優越性解析で評価された。
無作為化された698例は年齢中央値65歳、 女性422例 (60%) で、 104例 (15%) がベースラインでPEと診断された。
主要評価項目について、 per-protocol集団およびintention-to-diagnosis集団のいずれにおいてもYEARS群の非劣性が示された。
主要評価項目 : per-protocol集団
YEARS群 : 282例中5例 (1.8%)
CTPA単独群 : 273例中15例 (5.5%)
絶対リスク差 -3.7% (99.9%CI -8.8~1.4%、 非劣性p値=3.4×10⁻⁵)
主要評価項目 : intention-to-diagnosis集団
絶対リスク差 -2.6% (99.9%CI -7.5~2.4%、 非劣性p値=5.9×10⁻⁴)
YEARS群では22%でCTPAを実施せずに診断管理が行われ、 陰性CTPA割合には両群間で差はなかった。
著者らは、 「癌でPEが疑われる患者において、 YEARSアルゴリズムを用いた診断戦略はCTPA単独と同様に安全であり、 22%の患者でCTPA実施を回避できた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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