医療の最前線から
1ヶ月前
世界中の注目レビュー論文を紹介する新連載 「医療の最前線から」 です。 今回は、2024年のNEJM誌に掲載された"膵嚢胞"に関するレビュー論文を取り上げます。 膵嚢胞は以前は稀と考えられていましたが、 画像診断の発展とともに診断数は増加、 最近の剖検データでは最大50%の有病率が報告されているとのこと。 特にfigureやtableがわかりやすい本レビュー、 ぜひ一読されることをおすすめします。
💡膵嚢胞における主要な6タイプについて
💡画像診断を基にした悪性リスク評価について
💡膵嚢胞の内視鏡的評価について
💡粘液性嚢胞径に基づく管理について
原著論文で詳細を確認する
Pancreatic Cysts. N Engl J Med. 2024 Sep 5;391(9):832-843. PMID: 39231345
良性の低リスク嚢胞と高リスク嚢胞を区別することが最大の課題である。 内視鏡的超音波検査 (EUS) や嚢胞液の細胞診・分子診断は、 特に中等度リスクの嚢胞において、 リスク評価に重要な役割を果たしている。
💡論文内には、 上記の高リスク所見の他、 周囲すべき画像所見がインフォグラフィックにまとめられています。
嚢胞のタイプに応じた治療戦略が必要であり、 高リスク嚢胞には外科的切除が推奨されるが、 低~中等度リスクの嚢胞は経過観察が主となる。 外科的治療は唯一の根治術だが、 リスクを伴うため、 患者選択が重要である。
💡論文内には、 嚢胞径と1年後、2-5年後、 5年後以降のフォローに関する推奨がインフォグラフィックにまとめられています。
膵嚢胞の評価と管理に関する統一ガイドラインの策定が進められており、 今後の標準化が期待される。 また、 内視鏡的イメージングの進歩や、 手術に代わる非侵襲的な治療法 (例 : 嚢胞アブレーション) の開発も今後の方向性として注目されている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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