海外ジャーナルクラブ
2年前
Kimらは、 早期パーキンソン病 (PD) 患者を対象に、 体重変化と認知機能低下との関連を観察研究で検討。 その結果、 体重減少は認知機能と実行機能の低下と関連していた。 本研究は、 Neurology誌において発表された。
日常診療での”気付き”をアカデミアで証明した素晴らしい研究です。 嚥下機能が低下して体重減少なのか、 PDそのものによるものかは不明ですが、 こういった一つ一つの気づきを積み上げていくこと、 これが神経領域には今後も必要なことだと思います。 その先には大きな治療法の発見が必ずあると思います。
Parkinson's Progression Markers Initiativeのコホートのデータを使用。 認知機能は、 MoCAおよび詳細な神経心理学的検査を用いて測定。
358人の早期PD患者を、 以下の3群に分類した。
体重減少群は体重維持群に比べ、 MoCAスコアの低下が有意に早かった (β=-0.19、 95% CI -0.28--0.10)。
逆に、 体重増加群では、 記号-数字モダリティテストスコアの緩やかな低下が見られたが (β=0.34、 95%CI 0.05~0.63 )、 MoCAスコアの縦断的変化との関連は見いだせなかった。 また、 他の非運動症状の進行に対する体重変化の有意な影響は認めなかった。
PD患者において、 早期の体重減少は認知機能および実行機能の低下の速い進行と関連した。 一方、 早期の体重増加は処理速度および注意の低下の緩やかな進行と関連した。 早期の体重変化が非運動症状に及ぼす影響は、 認知機能に特有のものであるように思われた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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