海外ジャーナルクラブ
1年前
Wangらは、 非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 診断前の禁煙年数および累積喫煙量と全生存期間 (OS) との関連をコホート研究で検討。 その結果、 早期の禁煙がOSの延長と関連していることが明らかとなった。 本研究はJAMA Netw Open誌において発表された。
早期の禁煙は肺癌診断後の死亡率の低下と関連する、 という結論です。 禁煙 (喫煙) に特化した研究ですので、 できればタバコの種類の詳細にまで言及できるとより社会実装にまで貢献できると思います。
NSCLCは肺癌患者全体の85%を占め、 タバコはそのリスクと最も有意に関連する因子である。 しかし、 肺癌診断後のOSと診断前の禁煙年数および累積喫煙量の関連については、 ほとんど知られていない。
1992~2022年に米・マサチューセッツ総合病院のBoston Lung Cancer Survival Cohortに募集されたNSCLC患者。
肺癌診断前の喫煙歴
詳細な喫煙歴と肺癌診断後のOSとの関連性
Cox回帰分析による検討の結果、 元喫煙者は非喫煙者と比較して死亡率が26%高く (HR 1.26、 95%CI 1.13-1.40、 P<0.001) 、 現喫煙者は68%高い (HR 1.68、 95%CI 1.50-1.89、 P<0.001) ことが示された。
診断前の禁煙年数の長さは、 死亡率の有意な低下と関連していた。
診断時の臨床病期で層別化したサブグループ解析では、 早期病期の患者において、 元喫煙者と現喫煙者はさらにOSが短いことが明らかになった。
早期の禁煙は肺癌診断後の死亡率の低下と関連し、 喫煙歴とOSの関連は診断時の臨床ステージによって異なる可能性がある。 これらの結果は、 肺癌治療の選択と予後改善のための疫学・臨床研究において、 詳細な喫煙歴の収集が必要であることを示している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。