海外ジャーナルクラブ
14日前

Masséらは、 骨粗鬆症の薬物治療を受けていない成人を対象に、 カルシウム単独、 ビタミンD単独、 カルシウム+ビタミンD併用のサプリメントによる骨折と転倒の予防効果をシステマティックレビューおよびメタ解析で検討した。 その結果、 いずれのサプリメントも骨折と転倒の予防におけるベネフィットは全くないか、 あるとしてもほとんどないことが示された。 解析結果はBMJに発表された。
GRADEに基づく評価法を用いましたが、 患者・市民の意見を取り入れて最小臨床的重要差 (MID) を設定しておらず、 臨床的意義を判断する明確な基準もないのはlimitationです。
転倒や骨折の予防は重要な公衆衛生上の課題となっている。 カルシウムやビタミンDの補充は骨折および転倒の予防を目的とした使用が広く推奨されてきたが、 これまでのシステマティックレビューではカルシウム単独またはビタミンD単独による骨折予防には有効性がないという点で概ね一致している一方、 ビタミンD単独の転倒予防効果やカルシウム+ビタミンD併用の有効性には不確実性が残っていた。 また、 その後に複数の無作為化比較試験が実施されたため、 それらのデータを含めた新たなシステマティックレビューの実施が求められていた。
2014年以降のシステマティックレビューに含まれた試験に加え、 それらのシステマティックレビューには含まれていない新たな臨床試験を特定するため3つのデータベース (Medline、 Embase、 CENTRAL) を2025年2月19日まで検索した。 さらに、 ClinicalTrials.gov、 International Clinical Trials Registry Platform (ICTRP)、 学会抄録、 組み入れた臨床試験の参考文献リストも参照した。
対象は骨粗鬆症の薬物治療を受けていない18歳以上の成人で、 カルシウム単独、 ビタミンD単独、 カルシウム+ビタミンD併用のいずれかをプラセボまたは無治療と比較した無作為化比較試験とした。 最終的に69試験 (15万3,902例) が組み入れられた。
対象者の多くを地域住民 (87%) および骨折や転倒の高リスク者には該当しない成人 (73%)が占めていた。
主要評価項目は全骨折のリスク、 副次評価項目は大腿骨近位部骨折、 非椎体骨折、 椎体骨折、 転倒のリスクおよび転倒の合計回数だった。
主要評価項目である全骨折のリスクに関しては、 カルシウム単独 (11試験9,067例、 リスク比0.91、 95%CI 0.81-1.01、 中等度の確実性)、 ビタミンD単独 (36試験9万2,045例、 リスク比1.00、 95%CI0.95-1.06、 高い確実性)、カルシウム+ビタミンD併用 (15試験5万1,126例、 リスク比0.91、 95%0.84-0.99、 高い確実性) のいずれについても、 抑制効果はほとんどないか、 全くないことが示された。
カルシウム単独、 ビタミンD単独、 カルシウム+ビタミンD併用は、大腿骨近位部骨折や非椎体骨折、 椎体骨折、 転倒などの副次評価項目においても、 ほとんど効果がないか、 全く効果がないことが示された。 これらの結果のほとんどは中等度~高い確実性のエビデンスに基づいていた。
複数のサブグループ解析における異質性の検討でも、 結果の堅牢性が確認された。 一方、 高リスク者および施設入所を要する者におけるカルシウム単独およびカルシウム+ビタミンD併用の効果については多くの評価項目でエビデンスが限られていた。
著者らは、 「絶対リスクの低下度および臨床的に意義があると考えられる閾値に基づくと、 カルシウム単独、 ビタミンD単独、 カルシウム+ビタミンD併用のサプリメントは骨折と転倒の予防にほとんど、 あるいは全くベネフィットがないことが今回のシステマティックレビューで示された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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