【NEJM】CAR-T細胞療法による2次癌の発生はまれ
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海外ジャーナルクラブ

5ヶ月前

【NEJM】CAR-T細胞療法による2次癌の発生はまれ

【NEJM】CAR-T細胞療法による2次癌の発生はまれ
Hamiltonらは、 CAR-T細胞療法を受けた患者を対象に、 2次癌 (特にウイルスベクターの組み込みに関連するT細胞腫瘍) のリスクについて解析した。 その結果、 2次癌はまれであることが明らかとなった。 本研究は、 NEJM誌において発表された。

📘原著論文

Risk of Second Tumors and T-Cell Lymphoma after CAR T-Cell Therapy. N Engl J Med. 2024 Jun 13;390(22):2047-2060. PMID: 38865660

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

NEJMでは珍しいケースレポートとなっていますが、 テキストの方はOriginal Articleと書かれてあり、 方法のところにCaseが一例提示されている形で非典型的な記載となっています。

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CAR-T療法後の2次癌のリスクは?

CAR-T細胞療法後の2次癌のリスク、 特にウイルスベクターの統合に関連するT細胞腫瘍のリスクについて懸念が生じている。

過去症例の2次癌発生率を検証

方法

  • 2016年以降にCAR-T細胞療法を受けた患者724例を対象に、 2次癌の発生率を調査した。
  • 2次性T細胞リンパ腫の1例については、 広範な分子解析技術、 遺伝子解析技術、 細胞解析技術を用いて、 腫瘍、 CAR-T細胞、 正常造血細胞を調べた。

2次癌の累積発生率は3年時で6.5%

2次癌の発生

724例に対し計791件のCAR-T細胞療法が実施され、 非黒色腫皮膚癌を除く25件の2次癌が特定された。

  • 血液癌 : 14件
  • 骨髄異形成症候群または急性骨髄性白血病に関連した癌 : 13件
  • T細胞リンパ腫 : 1件
  • 固形癌 : 11件
  • 黒色腫 : 4件
  • 前立腺癌 : 2件
  • 乳管癌 : 2件
  • 子宮内膜腺癌 : 1件
  • 肺腺癌 : 1件
  • 転移を有する中皮腫 : 1件

2次癌の累積発生率

2次癌の累積発生率は3年時で6.5%であった。 これは既報と同様に、 CAR-T細胞療法後の2次癌の発生がまれであることを示唆するものであった。

2次性T細胞リンパ腫の解析

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL) に対してアキシカブタゲン シロルユーセル (axi-cel) による治療を受けた1例に、 致死的なT細胞リンパ腫が発見された。

患者より採取した検体を基に両リンパ腫の詳細な解析を行った結果、 各リンパ腫は、 免疫表現型とゲノムプロファイルが分子的に異なっていたが、 いずれも EBウイルス陽性であり、 クローン性造血と関連する DNMT3A変異およびTET2変異を有していた。 しかし、 CAR-T細胞の作成に用いられるレトロウイルスベクターがT細胞腫瘍に関連しているエビデンスは認められなかった。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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