海外ジャーナルクラブ
5ヶ月前
Hamiltonらは、 CAR-T細胞療法を受けた患者を対象に、 2次癌 (特にウイルスベクターの組み込みに関連するT細胞腫瘍) のリスクについて解析した。 その結果、 2次癌はまれであることが明らかとなった。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
NEJMでは珍しいケースレポートとなっていますが、 テキストの方はOriginal Articleと書かれてあり、 方法のところにCaseが一例提示されている形で非典型的な記載となっています。
CAR-T細胞療法後の2次癌のリスク、 特にウイルスベクターの統合に関連するT細胞腫瘍のリスクについて懸念が生じている。
724例に対し計791件のCAR-T細胞療法が実施され、 非黒色腫皮膚癌を除く25件の2次癌が特定された。
2次癌の累積発生率は3年時で6.5%であった。 これは既報と同様に、 CAR-T細胞療法後の2次癌の発生がまれであることを示唆するものであった。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL) に対してアキシカブタゲン シロルユーセル (axi-cel) による治療を受けた1例に、 致死的なT細胞リンパ腫が発見された。
患者より採取した検体を基に両リンパ腫の詳細な解析を行った結果、 各リンパ腫は、 免疫表現型とゲノムプロファイルが分子的に異なっていたが、 いずれも EBウイルス陽性であり、 クローン性造血と関連する DNMT3A変異およびTET2変異を有していた。 しかし、 CAR-T細胞の作成に用いられるレトロウイルスベクターがT細胞腫瘍に関連しているエビデンスは認められなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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