【BMJ】早期浸潤性乳癌の予後、 1990年代から大幅に改善
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【BMJ】早期浸潤性乳癌の予後、 1990年代から大幅に改善

【BMJ】早期浸潤性乳癌の予後、 1990年代から大幅に改善
Taylorらは、 過去に早期浸潤性乳癌と診断された患者の長期予後を基に、 最近診断された患者の乳癌死亡リスクについて集団ベースの観察コホート研究で検討。 その結果、 早期浸潤性乳癌女性の予後は1990年代から大幅に改善しており、 少数のリスクは残るものの、 ほとんどが長期間のがんサバイバーになることが期待できること示された。 本研究はBMJ誌において発表された。

📘原著論文

Breast cancer mortality in 500 000 women with early invasive breast cancer in England, 1993-2015: population based observational cohort study. BMJ. 2023 Jun 13;381:e074684. PMID: 37311588

👨‍⚕️監修医師のコメント

経年的にscreen detectedの割合が増えているので、 早期発見と共に分母数が増えているので合計の死亡率は低下しています。 2023年なので2015-2020年のデータも見てみたかった、 というのが正直のところでしょう。

🔢関連コンテンツ

乳癌のTNM臨床病期分類

乳腺腫瘍のTNM分類 (UICC-8版)

研究デザイン

対象

1993年1月~2015年12月に早期浸潤性乳癌と診断された患者:51万2,447例

2020年12月まで追跡
データソース:National Cancer Registration and Analysis Service

主要評価項目

乳癌年間死亡率および累積リスク

研究結果

  • 1993~99年、 2000~04年、 2005~09年、 2010~15年のいずれの期間においても、 乳癌年間粗死亡率は診断後5年間が最も高く、 その後低下した。
  • 乳癌の年間粗死亡率およびリスクは診断時暦年が近年になるにつれて低下した。
  • 5年間の粗乳癌死亡リスクは、 1993~99年に診断された女性では14.4% (95%CI 14.2-14.6%)、 2010~15年に診断された女性では4.9% (95%CI 4.8-5.0%) であった。
  • 調整後の年間乳癌死亡率も、 ほぼすべての患者群で暦年が増加するにつれて減少し、 エストロゲン受容体陽性では1/3、 エストロゲン受容体陰性では1/2であった。
  • 2010~15年に診断を受けた女性だけを考慮すると、 5年間の累積乳癌死亡リスクは異なる特性を有する群間で大きく異なっており、 62.8% (15万3,006人中9万6,085人) を占める特性群の5年累積乳癌死亡率は3%未満であったが、 4.6% (15万3,006人中6,962人) の特性群では20%以上であった。

結論

最近診断された患者の5年間の乳癌死亡リスクは、 現在の患者の乳癌死亡リスクの推定に使用できる。 早期浸潤性乳癌女性の予後は1990年代から大幅に改善しており、 少数のリスクは残るものの、 ほとんどが長期間のがんサバイバーになることが期待できる。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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