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13日前

Leeらは、 シスプラチンを用いた温熱腹腔内化学療法 (HIPEC) を伴う間隔減量手術を受けた卵巣癌患者を対象に、 術後急性腎障害 (AKI) のリスク因子およびチオ硫酸ナトリウムの代替となる予防プロトコルを後ろ向き比較研究で評価した。 その結果、 マグネシウムおよびカリウムを含む輸液療法にアセチルシステインおよびマンニトールを併用するプロトコルは、 AKI発生率においてチオ硫酸ナトリウムと有意差を認めず、 実行可能な代替予防療法となり得ることが示唆された。 本研究はGynecol Oncol誌において発表された。
輸液を中心とした水分管理とチオ硫酸ナトリウムのプロトコルは異なる時期に実施され、 背景因子も異なるため、 多変量解析後も残余交絡を完全には排除できません。
シスプラチンを用いたHIPECは、 卵巣癌に対する間隔減量手術後の残存微小転移の制御および再発抑制に寄与する有効な治療法である。 一方で、 シスプラチンはしばしば急性腎障害 (AKI) を伴うことが知られている。
そこで本研究では、 術後AKI発症のリスク因子の同定とともに、 チオ硫酸ナトリウムの代替となる予防プロトコルについて検討した。
2018年4月~2025年4月に、 HIPECを伴う間隔減量手術を受けた卵巣癌患者180例が以下の2群に分類された。
AKIは、 術後の血清クレアチニン値に基づき、 KDIGO基準に従って定義した。
チオ硫酸ナトリウム群では14例がステージⅠのAKIを発症した。 輸液群では9例がAKIを発症し、 その内訳はステージⅠが6例、 ステージⅡが2例、 ステージⅢが1例であった。
AKIの発生率は両群間で有意差が認められなかった。
単変量解析および多変量解析の結果、 推定出血量がAKI発症の独立したリスク因子であることが示された (p=0.046)。
無増悪生存期間 (PFS) は両群間で有意差が認められなかった (p=0.060)。
著者らは 「マグネシウムおよびカリウムを含む輸液療法にアセチルシステインおよびマンニトールを併用するプロトコルは、 AKI発生率においてチオ硫酸ナトリウムと有意差を認めず、 実行可能な代替予防療法となり得ることが示唆された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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