海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前
Yoshidaらは、 10価肺炎球菌結合型ワクチン (PCV10) の接種回数を減らしても肺炎球菌保菌に対する防御効果が維持できるかを検討すべく、 ベトナムの肺炎球菌ワクチンが導入されていない地域でクラスター無作為化比較試験を実施した*。 その結果、 接種回数を2回に減らしても従来の3回接種に防御効果が劣らないことが示された。
多くのワクチンで接種回数や期間などのスケジュールの調整が計画されても、 実際の効果は研究をやってみないとわからない部分が大きいため、 本研究の意義は大きいと言えます。
*3歳未満の小児にPCV10を接種するキャッチアップキャンペーンを実施し、 参加した小児を、3p+0群 (生後2、3、4ヵ月に接種)、 2p+1群 (生後2、 4、 12ヵ月に接種)、 1p+1群 (生後2、 12ヵ月に接種)、 0p+1群 (生後12ヵ月に1回だけ接種) に割り付けた。
PCV10導入前の2016年には、 乳児1,363例中160例 (11.7%) にワクチン血清型肺炎球菌の保菌が認められたが、 2020年の保菌率は1p+0群 (333例) が1.8%、 2p+1群 (340例) が1.5%、 3p+0群 (313例) 1.3%であり、 1p+1の2p+1に対する非劣性 (差0.3%㌽、 95%CI -1.6~2.2)、 3p+0に対する非劣性 (差0.5%㌽、 95%CI -1.4~2.4) が示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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