海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前

Aizerらは、 小細胞肺癌 (SCLC) または胸郭外小細胞原発で1~10個の脳転移を有する患者を対象に、 定位放射線照射 (SRS/SRT) の有用性を前向きの単群・多施設共同第Ⅱ相試験で検討した。 その結果、 SRS/SRTによる神経学的死亡率は、 全脳照射 (WBRT) を受けた過去データの対照群と比べて低下した。 本研究はJ Clin Oncol誌において発表された。
文章中に45回登場する神経学的死亡は 「marked progressive radiographic progression in the brain accompanied by corresponding neurologic symptomatology in the absence of systemic disease progression or systemic symptoms of a life-threatening nature.」 と定義されています。
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SRS/SRTは、 WBRTとは対照的に毒性プロファイルが比較的良好であることから、 限られた数の脳転移を有する患者に対する標準治療とされている。
しかし、 SCLC患者では、 SRS/SRTを支持する前向きデータの不足と、 WBRTを省略した場合の頭蓋内進行および神経学的死亡に関する懸念のため、 WBRTが依然として標準治療とされている。
そこでSRS/SRTの単群・多施設共同第Ⅱ相試験において、 SCLCで1~10個の脳転移を有する患者を対象に、 WBRTで管理した過去の対照群と比較した神経学的死亡率を評価した。
SCLCまたは胸郭外小細胞原発で1~10個の脳転移を有する患者100例を対象に、 SRS/SRTを実施した。 予防的頭蓋照射を含む脳指向性照射の既往がある場合は対象から除外された。
SRS/SRT後は脳の綿密な画像診断に基づく監視が行われた。
神経学的死亡は、 全身性疾患の進行や生命を脅かす全身症状を伴わず、 対応する神経学的症状を伴う著明かつ進行性のX線画像上の脳病変進行と定義された。
脳転移数の中央値は2個 (四分位範囲 [IQR] 1-4個、 範囲 1-10個) であった。
全生存期間 (OS) 中央値は10.2ヵ月であり、 サルベージ (救援) WBRTを必要とした患者はわずか22%であった。
神経学的死亡は20例、 非神経学的死亡は64例で報告された。
1年時の神経学的死亡率は11.0% (95%CI 5.8-18.1%) であり、 WBRTで管理された過去データの17.5%と比べて低下した。
著者らは 「本研究により、 1~10個の脳転移を有し、 治療後に綿密な監視が行われたSCLC患者において、 SRS/SRTを用いた場合にWBRTと比べて神経学的死亡率が低下することが示され、 この集団におけるSRS/SRTの有用性が支持された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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