【NEJM】NSCLC術前治療、 免疫CP阻害剤ニボルマブ+化学療法の有用性が示される
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2年前

【NEJM】NSCLC術前治療、 免疫CP阻害剤ニボルマブ+化学療法の有用性が示される

【NEJM】NSCLC術前治療、 免疫CP阻害剤ニボルマブ+化学療法の有用性が示される
Forde PMらはIB~IIIA期の切除可能な非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を、 ニボルマブ+化学療法併用群と化学療法単独群に分け、 術前補助化学療法の効果を検討する多施設国際共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験を実施 (CheckMate 816). 結果、 ニボルマブ+化学療法併用群は、 単独群に比べ、 無イベント生存期間 (EFS) が有意に延長し、 病理学的完全奏効割合 (pCR) が高いことが示された. 本研究はNEJM誌において発表された.

研究デザイン

研究の背景

  • 切除可能な非小細胞肺癌 (NSCLC) の術前または術後に補助療法を行っても、 手術単独をわずかに上回る利益しか得られない.
  • ニボルマブベースの術前補助療法レジメンは、 初期の試験で有望な臨床活性を示した.
  • これらの知見を確認するためには第Ⅲ相試験が実施された.

対象とエンドポイント

  • IB~IIIA期の切除可能な非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を以下の2群に割り付けた.
  • ニボルマブ + 化学療法
  • 化学療法単独 (プラチナ製剤ベース)
  • 主要エンドポイント:EFSとpCR
  • 副次エンドポイント:全生存期間

研究結果|有効性評価

無イベント生存期間EFS 中央値

  • ニボルマブ+化学療法: 31.6ヶ月(30.2~未達)
  • 化学療法単独:20.8ヶ月 (14.0~26.7)
進行再発死亡のHR 0.63 (0.43~0.91、P=0.005)

病理学的完全奏効pCR の割合

  • ニボルマブ+化学療法: 24.0% (18.0~31.0)
  • 化学療法単独:2.2% (0.6~5.6)
OR 13.94 (3.49~55.75、 P<0.001)

サブグループ解析 他

  • ほとんどのサブグループでEFSとpCRは、 ニボルマブ+化学療法が有利であった.
  • 最初の中間解析では、 死亡のHRは 0.57 (0.30~1.07) で、 有意差はみられなかった.
  • ニボルマブ+化学療法の83.2%、 化学療法単独の75.4%が手術を受けた.

研究結果|安全性評価

グレード3または4の治療関連有害事象

  • ニボルマブ+化学療法:33.5%
  • 化学療法単独:36.9%

編集部コメント

ニボルマブ+化学療法併用群は、 単独群に比べ、 無イベント生存期間 (EFS) が有意に延長し、 病理学的完全奏効割合 (pCR) が高いことが示されました. 先日のIMpower010試験 (Lancet 2021)の術後アテゾリズマブに続く、 ポジティブな結果となりましたが、 術前・術後の併用療法をどのように使い分けるかが今後の課題になりそうです.

原著

Forde PM、 et al、 Neoadjuvant Nivolumab plus Chemotherapy in Resectable Lung Cancer. N Engl J Med. 2022 May 26;386(21):1973-1985. PMID : 35403841

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