大学病院医師、3割が過労死ライン超え 研究時間の不足も
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HOKUTO通信

1年前

大学病院医師、3割が過労死ライン超え 研究時間の不足も

大学病院医師、3割が過労死ライン超え  研究時間の不足も
医師の働き方改革が始まる2024年4月以降も、 大学病院の勤務医3割が 「過労死ライン」 を超える時間外労働を見込んでいる−−。 文部科学省は18日、 全国81大学病院の医師の勤務実態に関する初めての調査結果を公表した。

文科省が初の調査

医師の働き方改革では、 医師の休日・時間外労働を原則年960時間までとなる。 地域の救急医療に携わる病院などは特例として年1860時間まで延長できるが、 休息時間を確保する対策が義務付けられる。

調査は2022年7〜12月、 文科省から委託された全国医学部長病院長会議が実施。各大学病院に勤務実態の把握状況や、 労働時間の上限規制の対策などを聞いた。

その結果、 2022年11月時点で2024年度の勤務体系がおおよそ把握できる大学病院の勤務医約4万4000人のうち、 34%に当たる約1万5000人について、 2024年度の時間外労働が年960時間を超える見込みであることが判明した。 過労死ラインの目安 「月80時間」 を上回る水準で、 いずれの大学病院も特例適用の申請するという。

大学病院医師、3割が過労死ライン超え  研究時間の不足も
文部科学省の資料より転載

助教15%が 「研究週0時間」

また、 労働時間の上限規制により、 研究の成果減少などにつながる懸念も明らかとなった。 81大学に教育・研究に及ぼす影響を複数回答で質問したところ、 「研究時間の確保ができなくなり成果が減少する」 が90%で最多。 次いで若手医師などを養成する臨床教育について 「質の低下が生じる」 が89%だった。

診療科や性別などを考慮して抽出した大学病院の勤務医981人への個人調査では、 教育・研究業務の主力を担うべき助教の約半数が研修時間を週1〜5時間としたほか、 「週0時間」 も15%に上った。

大学病院医師、3割が過労死ライン超え  研究時間の不足も
文部科学省の資料より転載

全国医学部長病院長会議は、 研究スタッフの増員や、 研究を効率化する情報通信技術 (ICT) の推進などを求めた。

参考資料

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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