海外ジャーナルクラブ
1ヶ月前

Huangらは、 唾液腺癌に対する米国がん合同委員会 (AJCC) /国際対がん連合 (UICC) TNM分類第9版案の提案を目的として、 予後予測精度を向上させ、 病期分布を最適化した新たな唾液腺癌特異的pTNM分類を予後コホート研究で開発・検証した。 その結果、 新たなpTNM分類は現行の分類と比べて、 予後予測精度の向上が示唆されるとともに各病期における症例分布の偏りを軽減し、 大唾液腺癌および小唾液腺癌の双方に適用可能であった。 本研究はJAMA Otolaryngol Head Neck Surg誌において発表された。
📘原著論文
National Cancer Database (NCDB) のデータ制約 (リンパ節部位不明、 中央病理レビュー欠如) や組織学的異質性、 全生存期間 (OS) のみの評価、 頸部郭清例に基づく解析などにより解釈には限界があります。
大唾液腺癌・小唾液腺癌の双方に適用可能なpTNM分類は、 予後予測精度を向上させ、 臨床意思決定を支援し、 患者ケアの質を改善する可能性がある。
外科治療を受けた大唾液腺癌患者8,409例のNCDB (2012~17年) におけるデータを用いて新規pTNM分類を開発し、 国際的な大唾液腺癌コホート (2008~21年、 1,015例) および単一施設の小唾液腺癌コホート (メモリアルスローンケタリング癌センター、 1985~2016年、 444例) で検証した。
主要評価項目はOSであった。 Cox比例ハザード多変量解析を用いて、 病理学的陽性リンパ節 (LN) 数およびリンパ節外浸潤 (pENE) の予後因子としての重要性を確認するとともに、 最適なpTNM分類を導出した。
対象となった大唾液腺癌患者8,409例のうち、 M0は7,659例 (pN0 5,748例、 pN陽性 1,911例)、 M1が750例であった。 M0例の年齢中央値は60歳 (四分位範囲 [IQR] 48~71歳) で、 50.4%が男性であった。 追跡期間中央値は88.4ヵ月 (IQR 72.3~108.5ヵ月) であった。
5年OSは、 N0病変で87.2% (95%CI 86.3-88.0%)、 pENE陰性の陽性LN1個で68.2% (同63.9-72.8%)、 2個で60.2% (同53.5-67.5%)、 3個で68.4% (同58.0-76.6%)、 4個以上で47.5% (同41.6-52.8%)、 pENE陽性LNでは41.4% (同38.1-44.8%) であった。
多変量解析では、 pN0病変と比べてLN数が独立した予後因子であることが確認された。
また、 pENE陽性LNのpENE陰性LNに対するaHRは1.27 (95%CI 1.10-1.48) であった。
提案されたpN分類では、 陽性LN1~3個かつpENE陰性をpN1、 陽性LN4個以上またはpENE陽性をpN2とした。
提案されたpN分類は現行のpN分類と比べてモデル適合度が改善した (赤池情報量基準 [AIC] 26,442 vs 26,483)。
aHRモデルに基づき、 以下の病期グループが提案された。
C指数は同程度であったが (提案された分類 0.792 vs 現行分類 0.790)、 AICはわずかに改善した (26,441 vs 26,482)。
病期別のOSの差が、 国際的な大唾液腺癌コホート (2008~2021年) および単一施設の小唾液腺癌コホートの双方で明確に認められた。
著者らは 「本研究で提案された唾液腺癌に特異的な病期分類は、 予後予測精度の向上が示唆されるとともに各病期における症例分布の偏りを軽減し、 大唾液腺癌および小唾液腺癌の双方に適用可能であった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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