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HOKUTO通信

11日前

【居眠り運転】救急車両の横転事故に”同情の声”

新型コロナウイルス禍で医療逼迫が続く中、 17時間連続勤務の末、 救急隊員の居眠り運転による救急車両の事故が起きた。 医療関係者からは 「起こるべきして起きた」 「救急車を有料にすべき」 といった同情の声が多い。

休憩も取れず

まず、 居眠り運転の事故を振り返っておこう。 2022年12月29日午前1時50分ごろ、 患者の搬送を終えて戻る途中だった東京消防庁の救急車が、 都内の国道で中央分離帯に衝突し、 横転。 救急隊員3人が軽いけがをした。 運転していた50代の男性隊員は前日朝に出勤後、 休憩を取れないまま約17時間連続で活動しており、 「眠気に襲われた」 と説明したという。

総務省消防庁によると、2021年の救急車の出動件数は約619万件で前年比4.4%増だった。 コロナ流行初期で外出自粛ムードだった2020年にいったん減少したものの、 再び増加傾向にある。

では、救急車両の交通事故は増えているのだろうか。 総務省消防庁は 「データを集計していない」 といい、 ここでは大阪大などが取りまとめた全国調査の結果を紹介する。

出動10万件あたり事故13.9件

調査は2017〜2019年に発生した緊急走行中の救急車事故について、 全国726消防本部に尋ね、 553本部から回答を得た(回収率76.2%)。 回答した本部管内の推定人口は、 総人口の約6割の約7500万人。

結果は、 救急出動は3年間で計1190万件あり、 そのうち事故は1659件だった。 出動10万件あたりでは13.9件になる計算だ。 負傷者は計130人で、 そのうち死亡者は1人だった。

総務省消防庁が公表したデータ(2021年の出動が約619万件)に当てはめると、 救急車両の事故は約860件となる。 実際の発生頻度は多くないといえる。

コロナで状況は一変か

ただ、 コロナ禍の医療逼迫で現場の疲労はピークに達しており、「居眠りや不注意などによる救急車両の事故が急増していても全くおかしくないレベル」 (関係者) だという。

東京消防庁では、 2022年の救急出動が87万2101件と過去最多を更新。 1隊当たりの活動時間は1日15時間33分 (速報値) で21年の11時間27分から急増した。

総務省消防庁によると、 患者の搬送先がすぐに決まらない 「救急搬送困難事案」 が今年1月9~15日の1週間で、 前週比8%増の計8161件あった (全国の主な52消防本部で集計) 。 4週連続で最多を更新し、 2020年4月の調査開始以来初めて8000件を突破した。

対策は…

こうした状況に、 救急隊員の増員などで対応することは 「各市町村の予算編成の問題があり、 なかなか難しい」 (愛知県内の自治体の担当者)。

救急車の搬送者のうち40〜50%が軽症者であり、 中には何度も救急車を呼んだり、 タクシー代わりに救急車を使ったりするという事例もある。 そのため、 総務省消防庁は適正な救急車利用を呼びかけており、 医療従事者には、 以前から議論になっている 「救急車の有料化」 を求める声も根強い。

参考資料

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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