海外ジャーナルクラブ
12ヶ月前
McGrathらは、 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の2価mRNAワクチン (BNT162b2 BA.4/5) と季節性インフルエンザワクチン (SIV) の同時接種と各ワクチン個別接種の有効性について、後ろ向き研究で比較した。 その結果、 BNT162b2 BA.4/5とSIVの同時接種は、 各ワクチンを個別接種した場合と比較して、 COVID-19およびインフルエンザ関連の転帰において概ね同等の効果を有することが明らかとなった。 本研究はJAMA Netw Open誌において発表された。
CDCがCOVID-19ワクチンと季節性インフルエンザワクチンの同時接種を許可した後の臨床効果の裏付けとなる研究の1つです。 研究結果で必ずしも同等とは言い切れない部分があることから、 JAMAではなくJAMA Open雑誌への採用になっているように推測します。
これまで、 COVID-19ワクチンとSIVの同時接種の効果に関する具体的なデータは不足していた。
BNT162b2-bivのみ、 SIVのみ、 または両方を同日接種した18歳以上の米国成人
COVID-19関連またはインフルエンザ関連入院、 救急外来 (ED) /緊急医療 (UC) 受診、 外来受診の発生率
全体で344万2,996例が組み入れられた。
65歳以上の接種者 (221万493例) おいては、 同時接種群のCOVID-19関連入院の発生率はBNT162b2-biv単独群と比較して同程度で、 ED/UC受診と外来受診の発生率は若干高かった。
18~64歳 (123万2,503例) では、 COVID-19関連転帰の発生率は、 同時接種群の方がBNT162b2-biv単独群と比較してわずかに高かった。
調整後HR点推定範囲:1.14-1.57
全体として、 SIV単独投与群と比較して、 同時投与群ではほとんどのインフルエンザ関連エンドポイントの発生率がわずかに低かった
65歳以上の調性HR点推定範囲:0.83-0.93
18~64歳の調性HR点推定範囲:0.76-1.08
BNT162b2-bivとSIVの同時接種は、 COVID-19およびインフルエンザ関連の転帰に対して、 それぞれのワクチンを単独で接種した場合と比較して、 概ね同様の有効性と関連しており、 両ワクチンの接種率向上に役立つ可能性がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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