海外ジャーナルクラブ
1年前
Sunらは、 進行非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者における免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) の最適な治療期間を後ろ向きコホート研究で検討。 その結果、 2年で治療を中止した群は、 2年を超えて治療を継続した群に比べ、 全生存期間 (OS) に有意差がないことが明らかとなった。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
前向きのRCTで確かめないといけないのですがなかなか困難ですし、 この2年間というのは医療費なども考えると実臨床で受け入れやすい数字です。
NSCLC患者において、 免疫療法の最適な治療期間は不明である。
2016~20年に進行NSCLCと診断され、ICIによる治療を受けた成人患者
患者を以下の群に割り付けて比較
OS
単変量解析 (HR 1.26、 95%CI 0.77-2.08、 P=0.36) または多変量解析 (HR 1.33、 95%CI 0.78-2.25、 P=0.29) のCox回帰においても、 治療中止群と治療継続群のOSに統計学的有意差はみられなかった。
患者の約5例に1例は、 進行が認められない場合、 2年後にICI治療を中止した。
ICI治療を受けた進行NSCLC患者の後ろ向き臨床コホートにおいて、 2年時点で無増悪であった患者の約5例に1例が治療を中止した。 調整解析で治療継続群に統計学的に有意なOSの優位性がみられなかったことは、 2年での免疫療法の中止を希望する患者および臨床医に安心感を与える。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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