海外ジャーナルクラブ
1年前
Tozukaらは、 EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 EGFRチロシンキナーゼ阻害薬オシメルチニブの早期減量が脳転移に与える影響を後ろ向き研究で検討。 その結果、 オシメルチニブの早期減量は脳転移の発生または進行のリスクを増加させ、 特に、 75歳以下の患者や治療開始前に脳転移がある患者でリスクが高かったことが示された。 本研究はCancer Med誌において発表された。
単施設後ろ向き研究で62症例の解析結果です。 現時点では仮説の提唱ですので、 早期の減量がリスクとなりうるかどうか、 今後の追解析結果が待たれます。
EGFR遺伝子変異は、 NSCLC患者の脳転移に関連するリスク因子である。
1次治療としてオシメルチニブを投与されたEGFR遺伝子変異 (ex19del/L858R) 陽性のNSCLC患者:79例
患者を以下の群に分類した。
脳転移の発生または進行までの期間、 無増悪生存期間 (PFS)、 全生存期間 (OS)
対象患者中13例がオシメルチニブ早期減量を経験した。
早期減量の主な理由は消化器毒性 (4例)、 皮疹 (3例) であった。
早期減量群は通常用量群に比べて、 脳転移の発生または進行までの期間が短かった。
HR 4.47、 95%CI 1.52-13.11
治療開始前に脳転移があるサブグループと75歳未満のサブグループにおいて、 早期減量群の方が、 脳転移の発生または悪化のリスクが高かった。
PFS中央値には両群に有意な差は認められなかった。
OSにおいても両群で有意差はなかった。
オシメルチニブの早期減量は脳転移の発生または進行のリスクであり、 75歳以下や治療開始前に脳転移がある患者でリスクが高かった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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