海外ジャーナルクラブ
9日前
Mortierらは、 再発局所進行性または転移性のメルケル細胞癌 (MCC) を対象に、 1次治療における抗PD-1抗体ペムブロリズマブの有効性および安全性について、 第III相非盲検単群試験KEYNOTE-913で検証した。 その結果、 ペムブロリズマブは持続的な抗腫瘍活性および有望なOSの成績を示し、 安全性は管理可能であった。 本研究はAm J Clin Dermatolにおいて発表された。
Single-Armということが、 本研究のlimitationです。 なお、 本邦において、 ペムブロリズマブはメルケル細胞癌への適応はなく、 遺伝子パネル検査を実施し 「TMB-High」 であったときのみ使用可能です。 そのため、 1次治療としては実質アベルマブが使用されることが多く、 2次治療以降での使用となります。
再発局所進行性または転移性のMCC55例に対し、 ペムブロリズマブ200mgを3週毎に最大35回、 最長2年間静脈内投与した。
主要評価項目は盲検下独立中央審査 (BICR) によるRECIST v1.1基準に基づく客観的奏効率 (ORR) だった。 副次評価項目は奏効期間 (DOR)、 無増悪生存期間 (PFS)、 全生存期間 (OS)、 安全性および忍容性だった。
初回投与からデータカットオフ日 (2024年2月15日) までの期間中央値50.3ヵ月におけるORRは49% (95%CI 35-63%) で、 うち完全奏効 (CR) は12例、 部分奏効 (PR) は15例だった。
副次評価項目の結果は以下の通りであった。
DOR
PFS
OS
治療関連有害事象 (TRAE) は全患者の69%に発生し、 全患者の24%がGrade 3~5であった。
疲労、 掻痒症、 リパーゼ増加が最も多くみられた。 また、 1例が治療関連のギラン・バレー症候群で死亡した。
著者らは 「ペムブロリズマブは、 再発性局所進行性または転移性MCCにおいて、 持続的な抗腫瘍効果と有望な生存率を提供し、 安全性プロファイルも管理可能であった。 本研究結果は、 同症例におけるペムブロリズマブの使用を支持するものである」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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