海外ジャーナルクラブ
1年前
Mitsuiらは、 日本国内の下部尿路症状 (LUTS) の有病率と日常生活への影響を把握するための疫学調査を実施した。 LUTSに関する疫学調査は2002年以来、 約20年ぶりに実施されたもの。 その結果、 過活動膀胱 (OAB) を含むLUTSの有病率は年齢とともに増加し、 日常生活に悪影響を及ぼしていることが明らかとなった。 本研究はInt J Urol誌において発表された。
前回が20年前でその時は手紙で調査したとのことですが、 今回はe-mailで行っています。 110名もの90代の参加者からの回答を得て、 超高齢社会を反映した結果が得られています。
日本のオンライン調査会社に登録された20~99歳の個人を対象に、 日本人の人口構成に基づいてサンプリングされた男女6,210例が参加した。
調査はインターネットを通じて実施され、 アンケート内容はLUTSと日常生活に関する48の質問で構成された。
LUTSの有病率は男女間で異なっており、 ほぼすべてのLUTSで加齢とともに有病率が有意に増加する傾向が認められた。
「LUTSが日常生活に影響を与える」 と回答した患者は12.4%で、 最も影響を与えていた症状は夜間頻尿であった。
LUTSの症状を有する参加者のうち、 治療を受けているのは4.9%であった。 また、 OABの症状を有する参加者のうち、 治療を受けているのは16.0%であった。
著者らは、 「日本における下部尿路症状および過活動膀胱の有病率は年齢とともに増加しており、 日常生活に影響を及ぼしている。 しかし、 下部尿路症状の受診率は依然として低いため、 下部尿路症状に関するさらなる啓発活動が必要である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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