海外ジャーナルクラブ
1年前
Leeらは、 非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD) の患者に対するアスピリン投与が肝細胞癌 (HCC) に進行するリスクを低下させるかどうかをコホート研究で検討。 その結果、 毎日のアスピリン投与はNAFLD患者におけるHCCリスクの低下と有意に関連することが示された。 本研究はEClinicalMedicine誌において発表された。
アスピリンとHCCリスク低下の関連はJAMA Oncol. 2018;4(12):1683-1690.で既に報告されていますが、 大規模な台湾人コホートでも同じような関連が見られるという報告です。
アスピリンがNAFLD関連のHCCを予防する可能性があることが、 新たな実験室および動物実験で示唆されているが、 臨床的なエビデンスはまだ不足している。
台湾の国民健康保険研究データベースを用いて、 1997~2011年のNAFLD患者14万5,212例をスクリーニング。
交絡因子を除外した後、 以下の2群をそれぞれ募集。
治療群におけるHCCの10年累積発生率は未治療群よりも有意に低かった。
アスピリン治療はHCCリスクの低下と有意に関連していた。
高リスク患者において、 治療群におけるHCCの10年累積発生率は無治療群よりも有意に低かった。
サブグループ感度解析では、 ほぼすべてのサブグループでこの有意な関連が検証された。
アスピリン使用者における時間変動モデルでは、 短期間の使用 (1年未満) と比較して、 3年以上のアスピリン使用 (aHR 0.64、 95%CI 0.44-0.91、 P=0.013) が、 HCCリスクの低下と有意に関係していた。
毎日のアスピリン投与は、NAFLD患者におけるHCCリスクの低下と有意に関連した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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