【EClinicalMedicine】アスピリンの常用でNAFLDの肝細胞癌リスク低下
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【EClinicalMedicine】アスピリンの常用でNAFLDの肝細胞癌リスク低下

【EClinicalMedicine】アスピリンの常用でNAFLDの肝細胞癌リスク低下
Leeらは、 非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD) の患者に対するアスピリン投与が肝細胞癌 (HCC) に進行するリスクを低下させるかどうかをコホート研究で検討。 その結果、 毎日のアスピリン投与はNAFLD患者におけるHCCリスクの低下と有意に関連することが示された。 本研究はEClinicalMedicine誌において発表された。 

📘原著論文

Daily aspirin associated with a reduced risk of hepatocellular carcinoma in patients with non-alcoholic fatty liver disease: a population-based cohort study. EClinicalMedicine. 2023 Jun 29;61:102065.PMID: 37434747

👨‍⚕️監修医師のコメント

アスピリンとHCCリスク低下の関連はJAMA Oncol. 2018;4(12):1683-1690.で既に報告されていますが、 大規模な台湾人コホートでも同じような関連が見られるという報告です。

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背景

アスピリンがNAFLD関連のHCCを予防する可能性があることが、 新たな実験室および動物実験で示唆されているが、 臨床的なエビデンスはまだ不足している。

研究デザイン

対象

台湾の国民健康保険研究データベースを用いて、 1997~2011年のNAFLD患者14万5,212例をスクリーニング。

交絡因子を除外した後、 以下の2群をそれぞれ募集。

  • 治療群:3万3,484例
アスピリンを90日以上継続して毎日投与されている患者
  • 未治療群:5万5,543例
抗血小板療法を受けていない患者

方法

  • HCCの累積発生率、 およびHCC発生のHRは、 競合事象を調整した後に解析された。
  • 年齢55歳以上、 血清アラニンアミノトランスフェラーゼ上昇と定義された高リスク患者については、 さらに解析を行った。

研究結果

HCCの10年累積発生率

治療群におけるHCCの10年累積発生率は未治療群よりも有意に低かった。

  • 治療群:0.25%、 95%CI 0.19-0.32%
  • 未治療群:0.67%、 95%CI 0.54-0.81%
  • P<0.001

アスピリン治療とHCCリスクの関係

アスピリン治療はHCCリスクの低下と有意に関連していた。

  • aHR 0.48、 95%CI 0.37-0.63、 P<0.001

高リスク患者のHCC10年累積発生率

高リスク患者において、 治療群におけるHCCの10年累積発生率は無治療群よりも有意に低かった。

  • 治療群:3.59%、 95%CI 2.99-4.19%
  • 未治療群:6.54%、 95%CI 5.65-7.42%
  • P<0.001

サブグループ感度解析

サブグループ感度解析では、 ほぼすべてのサブグループでこの有意な関連が検証された。

アスピリン使用者における時間変動モデル

アスピリン使用者における時間変動モデルでは、 短期間の使用 (1年未満) と比較して、 3年以上のアスピリン使用 (aHR 0.64、 95%CI 0.44-0.91、 P=0.013) が、 HCCリスクの低下と有意に関係していた。

結論

毎日のアスピリン投与は、NAFLD患者におけるHCCリスクの低下と有意に関連した。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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