海外ジャーナルクラブ
1年前
Sirajらは、 COPD患者における抗うつ薬の使用と肺炎、 COPDの増悪リスクの関連性を検討。 その結果、 抗うつ薬はCOPD患者における肺炎とCOPD増悪の両方のリスク増加と関連しており、 そのリスクは抗うつ薬による治療を中止すると減少した。 本研究はThorax誌にて発表された。
コントロール群がないのは当然なのですが、 他の薬剤でも同じような傾向がないかは確認する必要があります。 臨床医への注意喚起という点では重要な研究です。
肺炎またはCOPD増悪があり、 抗うつ薬を少なくとも1回処方されたCOPD患者
両アウトカムについて発生率比 (IRR ) と95%CIを算出
少なくとも1回の抗うつ薬処方を受けたCOPD患者3万1,253例のうち、 1,969例が肺炎を、 1万8,483例がCOPD増悪を起こした。
抗うつ薬処方から90日において、 肺炎発生率は79%増加関連した (年齢調整IRR:1.79、 95%CI 1.54-2.07 )。 しかし、 抗うつ薬を中止するとこの関連は消失した。
抗うつ薬処方から90日において、 COPD増悪は16% (年齢調整IRR:1.16、 95%CI 1.13-1.20 ) 増加した。 このリスクは91日後も持続し、 わずかに増加した (年齢調整IRR:1.38、 95%CI 1.34-1.41 ) が、 抗うつ薬を中止した後は減少した。
抗うつ薬はCOPD患者における肺炎と増悪の両方のリスク増加と関連しており、 そのリスクは治療を中止すると減少した。 これらの所見は、 抗うつ薬処方の副作用を注意深く監視し、 非薬理学的介入を考慮することを示唆している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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