【Thorax】抗うつ薬がCOPD患者の肺炎と増悪のリスク増と関連
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海外ジャーナルクラブ

10ヶ月前

【Thorax】抗うつ薬がCOPD患者の肺炎と増悪のリスク増と関連

【Thorax】抗うつ薬がCOPD患者の肺炎と増悪のリスク増と関連
Sirajらは、 COPD患者における抗うつ薬の使用と肺炎、 COPDの増悪リスクの関連性を検討。 その結果、 抗うつ薬はCOPD患者における肺炎とCOPD増悪の両方のリスク増加と関連しており、 そのリスクは抗うつ薬による治療を中止すると減少した。 本研究はThorax誌にて発表された。

📘原著論文

Association between antidepressants with pneumonia and exacerbation in patients with COPD: a self-controlled case series (SCCS). Thorax. 2023 Jun 19;thorax-2022-219736.PMID: 37336642

👨‍⚕️監修医師のコメント

コントロール群がないのは当然なのですが、 他の薬剤でも同じような傾向がないかは確認する必要があります。 臨床医への注意喚起という点では重要な研究です。

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研究デザイン

対象

肺炎またはCOPD増悪があり、 抗うつ薬を少なくとも1回処方されたCOPD患者

方法

両アウトカムについて発生率比 (IRR ) と95%CIを算出

研究結果

肺炎とCOPD増悪の発生件数

少なくとも1回の抗うつ薬処方を受けたCOPD患者3万1,253例のうち、 1,969例が肺炎を、 1万8,483例がCOPD増悪を起こした。

抗うつ薬処方と肺炎の発症

抗うつ薬処方から90日において、 肺炎発生率は79%増加関連した (年齢調整IRR:1.79、 95%CI 1.54-2.07 )。 しかし、 抗うつ薬を中止するとこの関連は消失した。

抗うつ薬処方とCOPD増悪

抗うつ薬処方から90日において、 COPD増悪は16% (年齢調整IRR:1.16、 95%CI 1.13-1.20 ) 増加した。 このリスクは91日後も持続し、 わずかに増加した (年齢調整IRR:1.38、 95%CI 1.34-1.41 ) が、 抗うつ薬を中止した後は減少した。

結論

抗うつ薬はCOPD患者における肺炎と増悪の両方のリスク増加と関連しており、 そのリスクは治療を中止すると減少した。 これらの所見は、 抗うつ薬処方の副作用を注意深く監視し、 非薬理学的介入を考慮することを示唆している。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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