海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前
Shiraishiらは、 進行非扁平上皮非小細胞肺癌 (NSCLC) の患者を対象に、 プラチナ製剤を含む化学療法+アテゾリズマブにベバシズマブを上乗せした際の有効性と安全性を非盲検第Ⅲ相無作為化臨床試験APPLEで検討した。 その結果、 進行非扁平上皮NSCLC患者に対し、 ベバシズマブを上乗せしたレジメンは無増悪生存期間 (PFS) における優位性は示されなかった。 本研究は、 JAMA Oncol誌において発表された。
JAMA特有のMeaningではNSCLC患者に対するAPPBの優位性は示されなかった、 とシンプルに記載がされています。
抗PD-1/PD-L1抗体と化学療法の併用は、 転移性NSCLCに対する標準的な1次治療である。 ベバシズマブは、 血管内皮増殖因子を介した免疫抑制を阻害することにより、 化学療法だけでなく抗PD-1/PD-L1抗体の有効性を高める可能性があるが、 さらなる検証が必要である。
ドライバー遺伝子変異を伴わない進行非扁平上皮NSCLC患者、 またはドライバー遺伝子変異を有し、 少なくとも1種類のチロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) による治療歴のある患者 : 412例
患者を以下の群に無作為に割り付けた。
BICR評価によるPFS
主要評価項目
BICR評価によるPFS中央値
HR 0.86 (95%CI 0.70-1.07)
片側層別log-rank検定のp=0.92
サブグループ解析
ドライバー遺伝子変異を有する患者におけるPFS中央値
層別化HR 0.67 (95%CI 0.46-0.98)
ベバシズマブに関連する毒性作用はAPPB群において増加した。
非扁平上皮NSCLC患者に対するAPPBの優位性は示されなかった。 しかし、 このレジメンはドライバー遺伝子変異を有する患者において、 APPと同等の忍容性を示し、 相対的にPFSを改善した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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