海外ジャーナルクラブ
6日前

Vojinovicらは、 全身性エリテマトーデス (SLE) 患者における静脈血栓塞栓症 (VTE) の発症リスクを、 スウェーデンの全国登録に基づく新規診断SLE患者コホートとカロリンスカ大学病院の既存SLE患者コホートを用いたコホート研究で、 一般集団と比較して検討した。 その結果、 全国コホートのVTE発症率は1,000人年あたり8.8で、 一般集団の2.8を上回り、 3倍超のVTEリスク上昇と関連した。 VTEリスクはSLE診断後の最初の数年間で最も高かった。 研究結果はLupus Sci Med誌に発表された。
全国SLEコホートでは、 SLEコードを満たす2回目の受診日を追跡開始日としたため、 診断前または1回目から2回目の受診までに発症した早期VTEを捕捉できていません。 VTE既往例の約4分の1 (93例) がこの期間にVTEを発症しており、 1回目から2回目のSLE診断までの中央値は2ヵ月でした。
SLEDAI (SLEの重症度分類)、 SELENA-SLEDAI
本研究は、 スウェーデンの全国コホートにおける新規診断・全身性エリテマトーデス (SLE) 患者と、 カロリンスカ大学病院の既存SLE患者コホートを対象に、 一般集団と比較したVTEリスクを推定することを目的とした。
SLE患者はスウェーデンの全国患者登録から同定し、 年齢・性別・居住地でマッチさせた一般集団の対照と比較した。 追跡は診断/マッチング時点から開始し、 VTEの発症・死亡・移住・研究終了のいずれかまでとした。
カロリンスカコホートは登録時から追跡し、 ループス腎炎 (LN) の有無と抗リン脂質抗体 (aPL) 陽性の有無で層別した。 VTEの発症率を算出し、 Cox比例ハザードモデルで調整HRと95%CIを推定した。
全国コホート (4,335例) の組入れ時平均年齢は49歳、 女性が83%、 平均追跡期間は7.4年であった。
全国コホートで、 SLEはVTEリスクの上昇と関連した。
VTEの発症率 (1,000人年当たり)
HR 3.3 (95%CI 2.9-3.8)
カロリンスカコホートのHRは4.9 (95%CI 3.7-6.5) であった。
VTEリスクはSLE診断後の最初の数年間で最も高かった。
LNはVTEと有意に関連しなかった。
aPL陽性は60%高いハザードと関連したが有意ではなく、 VTE既往例を除外すると関連は減弱した。
著者らは、 「SLEは3倍を超えるVTEリスクの上昇と関連した。 特にSLE診断後初期にリスクが顕著であり、 個別化されたVTEリスク評価の必要性が浮き彫りになった」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。