海外ジャーナルクラブ
1日前
Powlesらは、 手術可能な筋層浸潤性膀胱癌 (MIBC) を対象に、 抗PD-L1抗体デュルバルマブ+化学療法による術前療法および術後デュルバルマブ投与の有効性について、 第Ⅲ相国際共同オープンラベル無作為化比較試験NIAGARAで検討した。 その結果、 24ヵ月時点でのEFS率およびOS率が有意に改善した。 本研究はNEJMにて発表された。
"NIAGARA"という研究名のRCTは、 Pubmedや ClinicalTrials.govを調べた限りでは今回が初のようです。 「大きく低下させる」 ようなイメージが持てます。
筋層浸潤膀胱癌への術前・術後デュルバルマブでEFS・OSが改善 : NIAGARA
筋層浸潤性尿路上皮癌への術後ペムブロリズマブでDFS改善 : AMBASSADOR
手術可能なMIBCにおいて、 術前化学療法は標準治療である。 本研究は、 周術期に免疫療法を追加することで予後が改善するかどうかを評価するために実施された。
シスプラチン適応で根治的膀胱切除術を受けることが確定したMIBCを対象に、 以下の2群に無作為に割り付けた。
主要評価は無イベント生存期間 (EFS) *、 病理学的完全奏効 (pCR) 率の2項目が設定された。
重要な副次的評価項目は全生存期間 (OS) だった。 また、 安全性も評価された。
24ヵ月EFS率推定値はデュルバルマブ群が67.8% (95%CI 63.6-71.7%)、 対照群が59.8% (55.4-64.0%) で、 デュルバルマブ群で有意な改善を示した〔HR 0.68 (0.56-0.82)、 log-rank p<0.001〕。
24ヵ月OS率推定値はデュルバルマブ群が82.2% (95%CI 78.7-85.2%)、 対照群が75.2% (71.3-78.8%) だった〔HR 0.75 (0.59-0.93)、 p=0.01〕。
Grade 3/4の治療関連有害事象 (TRAE) 発現率はデュルバルマブ群が40.6%、 対照群が40.9%であり、 死亡にいたったTRAEは各群0.6%に発現した。
著者らは 「シスプラチン適応のMIBCにおいて、 周術期デュルバルマブおよび術前化学療法の併用は、 患者転帰を改善させた」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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