【Gastroenterology】肝硬変患者の肝細胞癌発生率と危険因子は?
著者

海外ジャーナルクラブ

1年前

【Gastroenterology】肝硬変患者の肝細胞癌発生率と危険因子は?

【Gastroenterology】肝硬変患者の肝細胞癌発生率と危険因子は?
Reddyらは、 米国における肝硬変患者を対象に、 肝細胞癌の発生率と危険因子を他施設共同研究HEDSで検討。 その結果、 肝硬変患者における肝細胞癌の発生率は100人年あたり2.4であり、 性別、 家族歴、 肥満といった危険因子の詳細が明らかとなった。 本研究はGastroenterology誌において発表された。 

📘原著論文

Incidence and Risk Factors for Hepatocellular Carcinoma in Cirrhosis: The Multicenter Hepatocellular Carcinoma Early Detection Strategy (HEDS) Study. Gastroenterology. 2023 Jul 8;S0016-5085(23)04765-0. PMID: 37429366

👨‍⚕️監修医師のコメント

本研究の最大の特徴な前向き観察研究である点です。 HCCの発生率は正確であると言えますが、 リスク因子については前向き観察をしないと拾えない因子が入っている訳ではありません。

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Child-Pugh分類

肝機能障害の重症度分類

肝障害度分類

肝細胞癌患者の肝予備能評価スコア

ALBIスコア / modified ALBIグレード

肝細胞癌の肝予備能評価

背景

肝細胞癌は世界的によくみられる悪性腫瘍である。

研究デザイン

対象

肝細胞癌の標準的サーベイランスを受けた肝硬変患者:1,723例

方法

人口統計学的データ、 病歴、 家族歴、 肝疾患の病因、 および臨床的特徴について、 肝細胞癌との関連を評価した。

研究結果

肝細胞癌の新規発症と罹患率

追跡期間中央値2.2年で、 肝細胞癌の新規症例は109例であり、 100人年あたりの発生率は2.4であった。

危険因子 (95例の肝細胞癌を含む1,325例に限定して分析)

  • 性別 (P<0.001、 男性:OR 2.47、 95%CI 1.54-4.07)
  • 肝硬変の罹患年数 (P=0.004、 OR 1.06、 95%CI 1.02-1.1)
  • 肝癌の家族歴 (P=0.02、 あり:OR 2.69、 95%CI 1.11-5.86)
  • 年齢 (5歳ごと、 P=0.02、 OR 1.17、 95%CI 1.03-1.33)
  • 肥満 (P=0.02、 あり:OR 1.7、 95%CI 1.08-2.73)
  • AST (log(1+AST)、 P=0.06、 OR 1. 54、 95%CI 0.97-2.42)
  • α-フェトプロテイン (log(1+AFP)、 P=0.07、 OR 1.32、 95%CI 0.97-1.77)
  • アルブミン (P=0.10、 OR 0.7、 95%CI 0.46-1.07)

結論

本研究は、肝硬変の既知の危険因子 (性別、 年齢、 肥満、 肝硬変の罹患年数、 肝がんの家族歴、 ベースラインのAFP、 アルブミン、 AST) を検証した、 米国の肝硬変患者コホートにおける最大の前向き研究である。 HCCの発生率は100人年当たり2.4%であった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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