HOKUTO編集部
2ヶ月前
日本喘息学会より『喘息診療実践ガイドライン2024』が7月に発表されました。 今回の改訂の重要なポイントについて、 日本赤十字社医療センター呼吸器内科部長の出雲雄大先生にご解説いただきました。 ぜひご活用ください。
『喘息診療実践ガイドライン』は実地臨床医家にとって、 極めてわかりやすい内容で簡潔に記されており、 非常に実践的な内容となっている。
これまで1年に1回のペースで改訂されており、 2024年版では 「一目でわかる喘息診療の基本的ロードマップ」 が新設され、 実地医家にとって喘息が疑われた際にどのように診療を進めていくのかが一目でわかるようになっている。 以下に今回の改訂ポイントを記す。
問診の重要性が強調され、 詳細な問診項目が追加された。 また、 喘息の分類が 「アトピー型・非アトピー型」 から 「タイプ2喘息・低タイプ2喘息」 に変更された。
個々の患者に最適な治療法を考える「precision medicine」 と「treatable traits approach」 が導入された。 また、 中用量吸入ステロイド/長時間作用性β₂刺激薬 (ICS/LABA) による治療開始後、 コントロール不十分な際の対応が明確化された。
血中好酸球数が新たな評価項目として追加され、 定期モニタリングの重要性が強調された。
生物学的製剤の対象者、 投与前の確認事項、 薬剤選択、 投与中モニタリングが詳細に示された。
小児の喘息治療に関する章が新たに独立し、 病態、 診断、 治療が詳細に解説された。
吸入療法に関するガイドブックなどとの連携が図られ、 2次元コードを用いた情報提供が行われている。
COPDやアレルギー性気管支肺真菌症などの合併症に関する管理方法が詳細に記載された。
喘息診療実践ガイドライン2024は、 診断基準の詳細化、 個別化医療の推進、 新しい治療薬と技術の導入、 予防と管理の強化、 多職種連携の重要性を強調し、 これにより、 患者一人ひとりに最適な治療と管理が提供されることを目指している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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