【Lancet】重症好酸球性喘息、ベンラリズマブでコントロール良好時はICSを減量可能
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海外ジャーナルクラブ

11ヶ月前

【Lancet】重症好酸球性喘息、ベンラリズマブでコントロール良好時はICSを減量可能

【Lancet】重症好酸球性喘息、ベンラリズマブでコントロール良好時はICSを減量可能
Jacksonらは、 重症好酸球性喘息患者を対象に、 抗IL-5受容体α抗体ベンラリズマブの投与による吸入コルチコステロイド (ICS) の減量可能性を多施設共同非盲検実薬対照無作為化比較試験SHAMALで検証した。 その結果、 ベンラリズマブでコントロール良好な重症好酸球性喘息患者においては、 毎日投与のICSを有意に減量できることが示された。 本研究は、 Lancet誌において発表された。

📘原著論文

Reduction of daily maintenance inhaled corticosteroids in patients with severe eosinophilic asthma treated with benralizumab (SHAMAL): a randomised, multicentre, open-label, phase 4 study. Lancet. 2023 Dec 7:S0140-6736(23)02284-5. PMID: 38071986

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

Limitationの最後に although we showed the efficacy of this approach to reducing ICS dose in this population, effectiveness outcome measures were not part of the study designと書かれています。 efficacyとeffectivenessを区別し、 今回の対象患者以外での有効性はついては検討されていません。

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背景

重症好酸球性喘息では、 高用量のICSへの反応が不十分にもかかわらず、 段階的な強化が行われる場合が多い。 生物学的製剤による治療が奏効する患者においてはICSの減量が推奨されているが、 安全性を裏付けるエビデンスは限られている。

研究デザイン

対象

重症好酸球性喘息でACQ-5スコアが1.5未満、 スクリーニング前にベンラリズマブの投与を3回以上受けていた18歳以上の患者

介入

患者を以下の群に3 : 1の割合で無作為に割り付けた。

  • 低減群 : 125例
ベンラリズマブ30mgを8週に1回+ICS/ホルモテロールのMART療法について、 中用量の維持投与+頓用で開始し、 低用量の維持投与、 発作時のみICS/ホルモテロール投与の頓用へと漸減
  • 参照群 : 43例
ベンラリズマブ30mgを8週に1回+高用量ICS/ホルモテロール2噴霧1日2回+サルブタモールの発作時頓用が投与された。 漸減期間は32週間で、 その後16週間を維持期間とした。

主要評価項目

32週時点までにICS/ホルモテロール用量が低減した患者の割合

主要評価項目は低減群で評価され、 安全性解析は試験治療群に無作為化された全患者を対象とした。

研究結果

有効性評価

用量の低減

全体で92% (110例) がICS/ホルモテロールの用量を低減した。

  • 中用量への低減 : 15% (18例)
  • 低用量への低減 : 17% (20例)
  • 頓用のみへの低減 : 61% (72例) 

低減の継続

患者の96% (113例) において48週まで低減が継続した。

減量期間中の増悪

低減群の91% (114例) において、 減量期間中の増悪は確認されなかった。

安全性評価

有害事象の発生頻度

両群で同程度であった。

  • 低減群 : 73% (91例)
  • 参照群 : 83% (35例)

重篤な有害事象

  • 低減群 : 10% (12例)
  • 参照群 : 12% (5例)

結論

ベンラリズマブでコントロール良好な重症好酸球性喘息患者において、 ICSの毎日投与を有意に削減できることが示された。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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