海外ジャーナルクラブ
11ヶ月前
Jacksonらは、 重症好酸球性喘息患者を対象に、 抗IL-5受容体α抗体ベンラリズマブの投与による吸入コルチコステロイド (ICS) の減量可能性を多施設共同非盲検実薬対照無作為化比較試験SHAMALで検証した。 その結果、 ベンラリズマブでコントロール良好な重症好酸球性喘息患者においては、 毎日投与のICSを有意に減量できることが示された。 本研究は、 Lancet誌において発表された。
Limitationの最後に although we showed the efficacy of this approach to reducing ICS dose in this population, effectiveness outcome measures were not part of the study designと書かれています。 efficacyとeffectivenessを区別し、 今回の対象患者以外での有効性はついては検討されていません。
重症好酸球性喘息では、 高用量のICSへの反応が不十分にもかかわらず、 段階的な強化が行われる場合が多い。 生物学的製剤による治療が奏効する患者においてはICSの減量が推奨されているが、 安全性を裏付けるエビデンスは限られている。
重症好酸球性喘息でACQ-5スコアが1.5未満、 スクリーニング前にベンラリズマブの投与を3回以上受けていた18歳以上の患者
患者を以下の群に3 : 1の割合で無作為に割り付けた。
32週時点までにICS/ホルモテロール用量が低減した患者の割合
用量の低減
全体で92% (110例) がICS/ホルモテロールの用量を低減した。
低減の継続
患者の96% (113例) において48週まで低減が継続した。
減量期間中の増悪
低減群の91% (114例) において、 減量期間中の増悪は確認されなかった。
有害事象の発生頻度
両群で同程度であった。
重篤な有害事象
ベンラリズマブでコントロール良好な重症好酸球性喘息患者において、 ICSの毎日投与を有意に削減できることが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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