海外ジャーナルクラブ
1年前
Huntleyらは、 多遺伝子リスクスコア (PRS) の性能と、 PRSで層別化した高リスク群に対する癌検診の有用性と有害性についてモデリング解析で検討。 その結果、 新たなPRSで層別化した癌検診が乳癌、 前立腺癌、 大腸癌の検出と死亡の回避において、 限定的な効率改善の可能性があることが示唆された。 本研究はLancet Oncol誌において発表された。
さまざまな推定のもとに計算されているのでクラスター無作為化試験を行うとしてもサンプルサイズの計算などさらに複雑になりそうです。
現在の癌検診プログラムをより効率的に標的化し、 新たな年齢層や疾患タイプに拡大するため、 高リスクと判定された個人に限定するための多遺伝子リスクスコア (PRS) の利用可能性が提案されている。
英国の癌検診を、 乳癌では40~49歳、 大腸癌では50~59歳、 前立腺癌では60~69歳を含む、 PRSで定義された高リスク群に拡大することで、 それぞれ年間最大102例、 188例、 158例の死亡を回避できる可能性があると推定された。
乳癌 (48~49歳)、 大腸癌 (58~59歳)、 前立腺癌 (68~69歳) を対象としたPRSを用いない非層別化スクリーニングでは、 同等の資源を使用し、 それぞれ年間最大80例、 155例、 95例の死亡を回避できると推定された。
これらのモデル化された最大数は、 PRSプロファイリングやがん検診の不完全な集団摂取、 インターバルキャンサー、 非ヨーロッパ系祖先、 その他の要因によって大幅に減少する可能性がある。
有利な仮定の下、 新たなPRS層別スクリーニングが乳癌、 前立腺癌、 大腸癌の検出と死亡の回避において、 限定的な効率改善の可能性があることが示唆された。 スクリーニングを高リスク群に制限することは、 低リスク群に多くの癌が発生することを意味する。 現実の臨床的影響、 費用、 有害性を定量化するためには、 英国特有のクラスター無作為化試験が必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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