海外ジャーナルクラブ
2年前
Heisserらは、 2013年1月から2019年12月の間にドイツの大腸内視鏡検診レジストリに報告されたデータを基に、 検査陰性から10年後の進行大腸腫瘍 (進行腺腫およびがん) の有病率を検討。 その結果、 前回の検査陰性化後から10年以上経過した大腸内視鏡検査における進行大腸腫瘍の有病率は低いことが明らかとなった。 本研究はJAMA Intern Med誌において発表された。
検査陰性後10年で3.6-5.2%, 14年で4.9-6.6%の陽性。 スクリーニングの間隔をどこにするのか、 研究結果の実装社会への応用が難しいと思います。
大腸癌の予防と早期発見のための大腸内視鏡検査は、 10年間隔で繰り返し受診することが推奨されており、 そのためのキャパシティと費用が大きな課題である。 大腸内視鏡検査陰性後10年以上経過した大腸内視鏡検査におけるエビデンスは乏しく、 大腸内視鏡検査の間隔を延長することが可能かどうかは不明なままである。
10年前に大腸内視鏡検査が陰性であった65歳以上の大腸内視鏡検査参加者120,298名を同定し、 この結果を、 同期間に65歳以上で実施されたすべての大腸内視鏡検査 (125万件) と比較した。
大腸癌および進行大腸腫瘍 (進行腺腫およびがん) の有病率。
120,298名のうち、 72,349名 (60.1%) が女性であった。
大腸内視鏡検査陰性後10年経過
・女性:3.6%
・男性:5.2%
大腸内視鏡検査陰性後14年経過
・女性:4.9%
・男性:6.6%
全大腸内視鏡検査受診者
・女性:7.1%
・男性:11.6%
検査陰性から10年以上経過後に実施された大腸内視鏡検査における進行大腸腫瘍の性比および年齢比有病率は、 一貫して男性よりも女性で 40%以上低く、 高齢者よりも若年者の方が低かった。
大腸癌の標準化有病率比
・女性:0.22-0.38
・男性:0.15-0.24
進行大腸腫瘍の標準化有病率比
・女性:0.49-0.62
・男性:0.50-0.56
大腸内視鏡検査陰性後10年以上経過した大腸内視鏡再検査における進行腫瘍リスクが低いことを示唆している。 現在推奨されている 10年間のスクリーニング検査の間隔の延長が、 特に消化器症状のない女性や若い参加者に対して検討可能かもしれない。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。