【Clin Cancer Res】オラパリブ±デュルバルマブ、プラチナ治療歴ありのTNBCでPFS改善
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海外ジャーナルクラブ

10ヶ月前

【Clin Cancer Res】オラパリブ±デュルバルマブ、プラチナ治療歴ありのTNBCでPFS改善

【Clin Cancer Res】オラパリブ±デュルバルマブ、プラチナ治療歴ありのTNBCでPFS改善
Tan氏らは、 プラチナ製剤ベースの化学療法の治療歴がある進行トリプルネガティブ乳癌 (TNBC) 患者を対象に、 化学療法を用いない維持療法として、 PARP阻害薬オラパリブ単独およびオラパリブ+抗PD1抗体デュルバルマブ併用療法の有効性について、 化学療法を継続するヒストリカルコントロールを対照に第II相国際多施設共同無作為化比較試験DORAで検討した。 その結果、 オラパリブ単独とオラパリブ+デュルバルマブ併用の両群で無増悪生存期間 (PFS) の有意な延長を認めた。 本研究はClin Cancer Res誌に発表された。

📘原著論文

Phase II DORA Study of Olaparib with or without Durvalumab as a Chemotherapy-Free Maintenance Strategy in Platinum-Pretreated Advanced Triple-Negative Breast Cancer. Clin Cancer Res. 2024 Jan 18. PMID: 38236575

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

少ないN数、 対照群のない典型的な第2相研究なのですが、 臨床意義のある研究です。 本文には本研究は2つの治療の有効性を確認するためにでデザインされたものではない、 とはっきりと記載されていて潔いです。

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Olaparib


研究の背景

プラチナ製剤ベースの化学療法に感受性を示す進行TNBCにおいて、 化学療法不要の維持療法として、 PD-L1遮断を併用したPARP阻害の可能性を検討する。

研究デザイン

対象

プラチナ製剤ベースの化学療法による1次または2次治療で病勢安定 (SD) もしくは完全/部分奏効 (CR/PR) が得られたTNBC患者 : 45例

介入

患者を1 : 1の割合で以下の2群に無作為に割り付けた

  • オラパリブ単独群 : 23例
オラパリブ300mgを1日2回単独投与
  • デュルバルマブ併用群 : 22例
オラパリブ300mg+デュルバルマブ1500mgを4週ごとに併用

主要評価項目

PFS (化学療法を継続するヒストリカルコントロールとの比較)

研究結果

PFS中央値 (95%CI)

両群いずれもヒストリカルコントロールより有意な延長を認めた。

オラパリブ単独群 : 4.0ヵ月 (2.6-6.1ヵ月)

p=0.0023

デュルバルマブ併用群 : 6.1ヵ月 (3.7-10.1ヵ月)

p<0.0001

臨床的有用率 (95%CI)

  • オラパリブ単独群 : 44% (23-66%)
  • デュルバルマブ併用群 : 36% (17-59%)

結論

プラチナ製剤ベースの化学療法に感受性を示す進行TNBC患者において、 化学療法を用いないオラパリブ±デュルバルマブの維持療法により、 持続的な病勢コントロールが可能なことが示唆された。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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