海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前
Tan氏らは、 プラチナ製剤ベースの化学療法の治療歴がある進行トリプルネガティブ乳癌 (TNBC) 患者を対象に、 化学療法を用いない維持療法として、 PARP阻害薬オラパリブ単独およびオラパリブ+抗PD1抗体デュルバルマブ併用療法の有効性について、 化学療法を継続するヒストリカルコントロールを対照に第II相国際多施設共同無作為化比較試験DORAで検討した。 その結果、 オラパリブ単独とオラパリブ+デュルバルマブ併用の両群で無増悪生存期間 (PFS) の有意な延長を認めた。 本研究はClin Cancer Res誌に発表された。
少ないN数、 対照群のない典型的な第2相研究なのですが、 臨床意義のある研究です。 本文には本研究は2つの治療の有効性を確認するためにでデザインされたものではない、 とはっきりと記載されていて潔いです。
プラチナ製剤ベースの化学療法に感受性を示す進行TNBCにおいて、 化学療法不要の維持療法として、 PD-L1遮断を併用したPARP阻害の可能性を検討する。
プラチナ製剤ベースの化学療法による1次または2次治療で病勢安定 (SD) もしくは完全/部分奏効 (CR/PR) が得られたTNBC患者 : 45例
患者を1 : 1の割合で以下の2群に無作為に割り付けた
PFS (化学療法を継続するヒストリカルコントロールとの比較)
両群いずれもヒストリカルコントロールより有意な延長を認めた。
オラパリブ単独群 : 4.0ヵ月 (2.6-6.1ヵ月)
p=0.0023
デュルバルマブ併用群 : 6.1ヵ月 (3.7-10.1ヵ月)
p<0.0001
プラチナ製剤ベースの化学療法に感受性を示す進行TNBC患者において、 化学療法を用いないオラパリブ±デュルバルマブの維持療法により、 持続的な病勢コントロールが可能なことが示唆された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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