【抗インフルエンザ薬】用法・用量、 予防投薬、 腎機能別の投与量は?
著者

最新薬剤情報 & 使い分け

1ヶ月前

【抗インフルエンザ薬】用法・用量、 予防投薬、 腎機能別の投与量は?

<前提> インフルエンザウイルス感染症への抗ウイルス薬のルーチン投与は必須ではなく、 リスクや患者背景をもとに判断を要する。 なお、 予防投与は保険適用の対象外である。
【抗インフルエンザ薬】用法・用量、 予防投薬、 腎機能別の投与量は?

用法用量と予防投薬は?

抗インフルエンザ薬一覧 (成人)

【抗インフルエンザ薬】用法・用量、 予防投薬、 腎機能別の投与量は?
※予防投薬は保険適応外
掲載の情報は2024/10/14時点のものです。 個々の患者の病態や、 最新の薬剤情報、 ガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

💊薬剤添付文書

シンメトレル®錠リレンザ®タミフル®カプセルタミフル®ドライシロップイナビル®吸入粉末剤ラピアクタ®点滴静注液ゾフルーザ®錠


使用頻度の低いシンメトレル® (アマンタジン) 以外の詳細情報を以下にまとめました。

注意が必要な患者は?

✕ 禁忌

- 成分に対し過敏症歴のある患者 : 全て

- 乳製品アレルギー : リレンザ®イナビル®

  乳糖水和物を含有しているため

△ 慎重投与

- 喘息、 COPD患者 : リレンザ®イナビル®

 症状悪化の可能性があるため

- 循環器系の既往のある患者 : ラピアクタ®

  300mg中に塩化ナトリウム540mg含有しているため

妊婦・授乳婦の適応は?

妊婦への適応

薬剤添付文書の記載

いずれの薬剤も 「有益性が危険性を上回ると判断される場合」 のみ投与

成育医療研究センターホームページ

タミフル®リレンザ®イナビル®は胎児への影響は低い

タミフル®: 妊娠中、胎児に悪影響を及ぼす可能性は低い¹⁻³⁾。
リレンザ®: 欧州の調査結果などから胎児への影響は低い³⁾。
イナビル®: 安全性を調査で評価できず⁵⁾。 ただ、 母体循環量が僅かなので胎児への影響は低い。

授乳婦への適応

薬剤添付文書の記載

いずれの薬剤も 「治療の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮」 して投与

成育医療研究センターホームページ

タミフル®は母乳移行が僅かなので投与可能⁵⁾

小児の適応は?

基本的にタミフル®の使用を推奨

- 幼少児  : 2㎎/㎏ (DS剤 66.7㎎/㎏)

- 乳児以下 : 3㎎/㎏ (DS剤 100㎎/㎏)

日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会「2022/23シーズンのインフルエンザ治療・予防指針」

腎機能障害患者の適応は?

肝機能障害患者に「禁忌」とされている薬剤はない。 なお、ゾフルーザ®のみ肝代謝型である。

【抗インフルエンザ薬】用法・用量、 予防投薬、 腎機能別の投与量は?
掲載の情報は2024/10/14時点のものです。 個々の患者の病態や、 最新の薬剤情報、 ガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

出典

薬剤添付文書

シンメトレル®錠

【抗インフルエンザ薬】用法・用量、 予防投薬、 腎機能別の投与量は?

リレンザ®

【抗インフルエンザ薬】用法・用量、 予防投薬、 腎機能別の投与量は?

タミフル®カプセル/ドライシロップ

【抗インフルエンザ薬】用法・用量、 予防投薬、 腎機能別の投与量は?

イナビル®吸入粉末剤

【抗インフルエンザ薬】用法・用量、 予防投薬、 腎機能別の投与量は?

ゾフルーザ®錠

【抗インフルエンザ薬】用法・用量、 予防投薬、 腎機能別の投与量は?

ラピアクタ®点滴静注液

【抗インフルエンザ薬】用法・用量、 予防投薬、 腎機能別の投与量は?

文献情報

  1. Safety of neuraminidase inhibitors against novel influenza A (H1N1) in pregnant and breastfeeding women. CMAJ . 2009 Jul 7;181(1-2):55-8. PMID: 19528139
  2. Outcomes of infants exposed to oseltamivir or zanamivir in utero during pandemic (H1N1) 2009. Am J Obstet Gynecol. 2013 Aug;209(2):130.e1-9. PMID: 23583838
  3. Neuraminidase inhibitors during pregnancy and risk of adverse neonatal outcomes and congenital malformations: population based European register study. BMJ. 2017 Feb 28;356:j629. PMID: 28246106
  4. Pregnancy outcomes of women exposed to laninamivir during pregnancy. Pharmacoepidemiol Drug Saf. 2014 Oct;23(10):1084-7. PMID: 25074683
  5. Oseltamivir and breastfeeding.Case Reports . 2008 Jul;12(4):451.PMID: 18243025
  6. タミフル®カプセル インタビューフォーム https://chugai-pharm.jp/content/dam/chugai/product/tam/cap/if/doc/tam_if.pdf (最終確認 : 2022/11/07)
  7. 日本透析医学会・日本透析医会: 新型インフルエンザ対策合同会議 緊急のご連絡 ~慢性透析患者の新型インフルエンザの診断と治療に関するご注意 2009

最終更新 : 2024年10月14日
監修医師 : HOKUTO編集部医師

ポストのGif画像
【抗インフルエンザ薬】用法・用量、 予防投薬、 腎機能別の投与量は?の全コンテンツはアプリからご利用いただけます。
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
HOKUTOのロゴ
HOKUTOのロゴ
今すぐ無料ダウンロード!
様々な分野の医師
様々な分野の医師
【抗インフルエンザ薬】用法・用量、 予防投薬、 腎機能別の投与量は?