海外ジャーナルクラブ
2年前
Wangらは、 CYP2C19機能喪失アレル保有の軽度脳梗塞または一過性脳虚血発作 (TIA) を発症した患者を対象に、 腎機能がチカグレロル+アスピリン、 クロピドグレル+アスピリンによる治療の有効性と安全性に及ぼす影響を多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験 (CHANCE-2試験) の事後解析で検討。 その結果、 腎機能が正常な患者においては、 チカグレロル+アスピリンのほうがクロピドグレル+アスピリンよりもベネフィットが大きかった。 本研究は、 Ann Intern Med誌において発表された。
大元のCHANCE-2試験はNEJM2021に発表された研究ですが、 腎機能を背景にしてチカグレロルがクロピドグレルよりもベネフィットが大きい群がどの群なのか、 今回の2次解析で明らかにしています。
脳卒中で腎機能が低下した患者におけるDAPTのリスクベネフィット比に関するエビデンスは限られており、 一貫性はない。
CYP2C19機能喪失型アレルを保有する軽度脳梗塞またはTIA患者を以下2群に割り付けた。
患者の腎機能はeGFR値で評価した
90日以内の脳卒中再発、 重度~中等度の出血率
チカグレロル群、 クロピドグレル群の90日以内の脳卒中の再発率の群間差 (クロピドグレル群に対するチカグレロル群のハザード比)
※中等度・重度の出血の発生率に実質的な差は見られなかった。
腎機能はeGFRのみで評価し、 腎機能が高度に低下した患者の割合は低かった。
腎機能が低下している患者よりも正常な患者のほうが、 チカグレロル+アスピリンの治療によるベネフィットが大きかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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