海外ジャーナルクラブ
11ヶ月前
Hsiaoらは、 65歳以下の成人を対象に、 高用量の遺伝子組み換え4価インフルエンザワクチンと鶏卵を用いた標準用量インフルエンザワクチンの相対的な有効性をクラスター無作為化観察試験で比較検討した。 その結果、 高用量の遺伝子組み換え4価インフルエンザワクチンは、 鶏卵を用いた標準用量のワクチンに比べ、 PCR検査で確認されたインフルエンザに対する防御効果が高いことが示された。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
メーカーサイドが本研究報告の公表と同時に厚生労働省に製造販売承認申請をしていますので、 今後インフルエンザワクチン業界は目が離せない状況になりそうです。
遺伝子組み換え4価インフルエンザワクチンは、 鶏卵を用いた標準用量ワクチンの3倍量のヘマグルチニン蛋白を含み、 製造過程の抗原ドリフトに影響を受けにくい。 65歳未満の成人におけるインフルエンザ関連アウトカムに対するワクチンの相対的有効性に関するデータが不足していた。
Kaiser Permanente Northern Californiaの傘下施設においてインフルエンザワクチンを接種した18~64歳の成人 : 163万328例
2018~19年および2019~20年のインフルエンザシーズン中に、 高用量の遺伝子組み換えインフルエンザワクチン (Flublok Quadrivalent) または標準用量インフルエンザワクチン (2種類中1種類) を50~64歳の成人 (主要年齢群) および18~49歳の成人に接種した。
PCR検査により確認されたインフルエンザ (A型またはB型)
インフルエンザA、 インフルエンザB、 インフルエンザ関連入院アウトカム
インフルエンザ陽性
相対的ワクチン有効率 : 15.3% (95%CI 5.9-23.8、 p=0.002)
インフルエンザAに対する相対的ワクチン有効率
相対的ワクチン有効率 : 15.7% (95%CI 6.0-24.5、 p=0.002)
両群間において有意差はなかった。
相対的ワクチン有効率 : 15.9% (95%CI -9.2-35.2、 p=0.19)
高用量の遺伝子組み換え4価インフルエンザワクチンは、 鶏卵を用いた標準用量のワクチンに比べ、 PCR検査で確認されたインフルエンザに対する防御効果が高いことが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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