HOKUTO編集部
8ヶ月前
敗血症を早期に把握し、 最適な治療へ繋げるため、 SOFAスコアやqSOFAを学びましょう。 ガイドラインをもとに、 研修医の先生方へ向けて必須の知識を簡潔に解説 (監修医師:聖路加国際病院 救急部 清水真人)
1.SOFAスコアの計算方法
2.敗血症の定義と診断基準
3.敗血症のスクリーニング
4.スコア使用上の注意
5.その他の利用
6.関連コンテンツ
SOFA (Sequential Organ Failure Assessment) は、 ICUにおける重症患者の臓器不全の程度と予後を評価するための指標である。 1994年に開発され、 その後敗血症や多臓器不全の診断・重症度評価に広く用いられている¹⁾。
①呼吸器、②心血管系、③腎臓系、④肝機能、⑤凝固系、⑥中枢神経系の6項目から構成されており、 それぞれの項目で0〜4点が付けられ、 合計で0〜24点の範囲で評価される。 感染が疑われ【2点以上】増加した場合に敗血症を考慮する。
一般的に、 The Third International Consensus Definitions for Sepsis and Septic Shock (Sepsis-3)に準じた評価が行われる¹⁾。
感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされた状態と定義される¹⁾。
感染が疑われ、SOFAスコアが2点以上増加したものと定義される¹⁾。
敗血症があり、適切な輸液治療にも関わらず持続的な低血圧 (平均動脈圧≤65mmHg) があり、 血清乳酸値が2mmol/L (18mg/dL) 以上の場合と定義される¹⁾。
病院前、 救急外来、 一般床では、 敗血症スクリーニングとして、 quick SOFA (qSOFA) を用いることが推奨されている。 qSOFAの2項目以上が満たされる場合、 敗血症を疑って早期治療を開始したり、専門病院への紹介を考慮する。
qSOFAの3項目
❶ 意識変容
❷ 呼吸数 ≧ 22回/分
❸ 収縮期血圧 ≦ 100mmHg
敗血症の患者の状態は急速に変化することがあるため、 SOFAスコアを定期的に評価し、 適切な治療介入や予後予測を行うことが必要。
主にICUでの重症患者を対象に開発されたため、 複数の報告はあるものの一般病棟や救急外来などの他の病態に対しては適用範囲が限定的であることを留意する必要がある。 特に小児や妊婦など特殊な患者群に対しては、 別の評価方法を検討することが望ましい。
SOFAスコアは敗血症の重症度および予後評価に有用な指標であるが、 その使用上の注意点を理解し、 患者の個別性や状況を考慮した総合的な評価が必要である。今敗血症の診断・治療に関する最新の知見やガイドラインに基づいた適切な判断と介入が求められる。
SOFAスコアはICU患者の予後予測にも役立つとされている。 算出方法として、 SOFAスコアの平均値や最高値、 変化量、 連日の合計値など複数検証されている。 その他、 ICU患者の予後予測としては、 APACHE II、 NEWS、 NEWS2、 SAPSⅡなどが知られている。
🔢 SOFAスコア
🔢 qSOFA
🔢 SIRS スコア
🔢 SAPSⅡ
最終更新:2024年4月1日
監修医師:聖路加国際病院救急部 清水真人
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。