海外ジャーナルクラブ
1年前
Chenらは、 小腸血管異形成 (SIA) による出血を繰り返す患者を対象に、 サリドマイドの有効性と安全性を多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験で検討した。 その結果、 サリドマイドの投与によりSIAによる出血を繰り返す患者の出血が減少した。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
手法としてまず中国でP3臨床試験を行う形が今後も増加すると思われます。 本研究のような中国人のみを対象にした研究成果を今後どのように一般化していくかが大きな課題です。
繰り返す小腸出血は消化管出血症例の5~10%を占め、 治療上の課題である。 サリドマイドはSIAにより繰り返し発生する出血の治療薬として評価は行われてきたが、 検証的試験はほとんど行われていない。
SIAによる出血を繰り返す患者:150例
患者を以下の群に1:1:1で無作為に割り付けた。
各群ともに4ヵ月間経口投与した。
有効反応
再出血を伴わない出血停止、 輸血、 出血による入院、 出血期間、 ヘモグロビン濃度
主要評価項目
3群間の同時比較のp<0.001
副次評価項目
副次評価項目の解析結果は主要評価項目を支持した。
有害事象の頻度はサリドマイド群でプラセボ群より多く、 具体的には便秘、 傾眠、 四肢のしびれ、 末梢性浮腫、 めまい、 肝酵素上昇などの頻度が高かった。
サリドマイドによる治療がSIAにより出血を繰り返す患者において出血の減少をもたらした。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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