【NEJM】小腸血管異形成により出血を繰り返す患者にサリドマイドが有効
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海外ジャーナルクラブ

6ヶ月前

【NEJM】小腸血管異形成により出血を繰り返す患者にサリドマイドが有効

【NEJM】小腸血管異形成により出血を繰り返す患者にサリドマイドが有効
Chenらは、 小腸血管異形成 (SIA) による出血を繰り返す患者を対象に、 サリドマイドの有効性と安全性を多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験で検討した。 その結果、 サリドマイドの投与によりSIAによる出血を繰り返す患者の出血が減少した。 本研究は、 NEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Thalidomide for Recurrent Bleeding Due to Small-Intestinal Angiodysplasia. N Engl J Med. 2023 Nov 2;389(18):1649-1659. PMID: 37913505

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

手法としてまず中国でP3臨床試験を行う形が今後も増加すると思われます。 本研究のような中国人のみを対象にした研究成果を今後どのように一般化していくかが大きな課題です。

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サレドカプセル25 / 50 / 100

サリドマイド

背景

繰り返す小腸出血は消化管出血症例の5~10%を占め、 治療上の課題である。 サリドマイドはSIAにより繰り返し発生する出血の治療薬として評価は行われてきたが、 検証的試験はほとんど行われていない。

研究デザイン

対象

SIAによる出血を繰り返す患者:150例 

出血エピソードが過去 1 年間に 4 件以上

介入

患者を以下の群に1:1:1で無作為に割り付けた。

  • サリドマイド100mg群:51例
  • サリドマイド50mg群:49例
  • プラセボ群:50例

各群ともに4ヵ月間経口投与した。

主要評価項目

有効反応

治療後1年間に発生した出血エピソード数が治療前の1年間と比較して50%以上減少と定義

副次評価項目

再出血を伴わない出血停止、 輸血、 出血による入院、 出血期間、 ヘモグロビン濃度

研究結果

有効性評価

主要評価項目

  • サリドマイド100mg群:68.6%
  • サリドマイド50mg群:51.0%
  • プラセボ群:16.0%
3群間の同時比較のp<0.001

副次評価項目

副次評価項目の解析結果は主要評価項目を支持した。

安全性評価

有害事象の頻度はサリドマイド群でプラセボ群より多く、 具体的には便秘、 傾眠、 四肢のしびれ、 末梢性浮腫、 めまい、 肝酵素上昇などの頻度が高かった。

結論

サリドマイドによる治療がSIAにより出血を繰り返す患者において出血の減少をもたらした。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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