【NEJM】イブプロフェンは超早産児動脈管開存症の死亡・BPDリスクを低減せず
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海外ジャーナルクラブ

9ヶ月前

【NEJM】イブプロフェンは超早産児動脈管開存症の死亡・BPDリスクを低減せず

【NEJM】イブプロフェンは超早産児動脈管開存症の死亡・BPDリスクを低減せず
Gupta氏らは、 超早産児の動脈管開存症 (PDA) に対し、 シクロオキシゲナーゼ阻害薬イブプロフェンの早期投与による最終月経後年齢36週時の死亡または中等度~重度気管支肺異形成症 (BPD) のリスク低下への影響について、 多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験で検討した。 その結果、 超早産児にイブプロフェンの早期投与を行っても、 プラセボに比べて死亡または中等度~重度気管支肺異形成症リスク低下は認められなかった。 本研究はNEJM誌において発表された。

📘原著論文

Trial of Selective Early Treatment of Patent Ductus Arteriosus with Ibuprofen. N Engl J Med. 2024 Jan 25;390(4):314-325. PMID: 38265644

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

プラセボ群の約3割がopen-label therapyとなってしまっていたのは大きなlimitationです。 また目標症例数730に到達しなかったこともlimitationですが、 研究を無事に遂行できた価値を高く評価されたと思われます。

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研究の背景

イブプロフェンは早産児のPDA治療に用いられることがある。 しかし、 大きなPDAに対する早期治療の効果については不明であった。

研究デザイン

対象

在胎23週0日~28週6日で出生し、 心エコー検査において直径1.5mm以上のPDA (左右シャント) を有する超早産児

介入

対象を1 : 1の割合で以下の2群に無作為に割り付けた。

  • イブプロフェン群 : 326例
生後72時間以内にイブプロフェン10mg/kgを負荷用量として初回投与後、 24時間以上の間隔を空けて5mg/kgを2回投与
  • プラセボ群 : 327例

主要評価項目

最終月経後年齢36週時の死亡または中等度~重度BPDの複合

研究結果

主要評価項目のイベント発生割合

  • イブプロフェン群 : 69.2%
  • プラセボ群 : 63.5%
補正後リスク比 (RR)  1.09 (95%CI 0.98-1.20)、 p=0.10

死亡割合

  • イブプロフェン群 : 3.6%
  • プラセボ群 : 10.3%
補正後RR 1.32 (95%CI 0.92-1.90) 

中等度~重度BPDの発生割合

  • イブプロフェン群 : 64.2%
  • プラセボ群 : 59.3%
補正後RR 1.09 (95%CI 0.96-1.23) 

安全性評価

イブプロフェンに関連する可能性がある、 予測不能かつ重篤な有害事象が2件発生した。

結論

月経後36週の超早産児のPDAに対するイブプロフェンの早期治療は、 プラセボと比較して、 死亡または中等度~重度BPDのリスクを有意に低下させなかった。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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