海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

京都大学大学院頭頸部腫瘍先進治療学講座の野村基雄氏らの研究グループは、 切除可能および切除不能な食道扁平上皮癌への1次治療として、 免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) ニボルマブ+根治的化学放射線療法 (CRT) 併用の安全性および有効性を医師主導多施設共同第Ⅱ相非盲検単群試験NOBELで評価した。 その結果、 同併用療法は許容可能な安全性プロファイルを示し、 完全奏効 (CR) 率は73%と良好であった。 本研究はEClinicalMedicineにおいて発表された。
手術可能例と手術不能例の両方を含めたことにより臨床的異質性が生じ、 サブグループ解析は検証的ではなく記述的な解釈に留まる点はlimitationです。
食道癌 (扁平上皮癌/頚部・胸部食道癌-腺癌) のTNM分類(規約版)
他の癌腫ではICI+CRT併用による相乗効果が示唆されたエビデンスがあるものの、 食道扁平上皮癌におけるエビデンスは限定的である。
そこで第Ⅱ相試験NOBELでは、 食道扁平上皮癌に対するニボルマブ+CRT併用の安全性および有効性を評価した。
京都大学をはじめとした日本の5施設において、 未治療で切除可能・切除不能な食道扁平上皮癌患者 (20~75歳、 ECOG PS 0~1) 42例*を対象に、 ニボルマブ+CRT (シスプラチン+5-フルオロウラシル+放射線療法) 併用療法、 およびその後、 最長1年間のニボルマブ維持療法を実施した。
主要評価項目は安全性であり、 Grade4以上の非血液学的毒性の発現率10%以下、 Grade3以上の肺臓炎の発現率15%以下と定義した。 副次評価項目はCR、 無増悪生存期間 (PFS)、 全生存期間 (OS) などであった。 治療前の生検検体に対して、 51の免疫関連遺伝子のバイオマーカー解析を実施した。
主要安全性エンドポイントを達成し、 Grade3の肺臓炎の発現率は5%に留まった。 特に頻度の高い有害事象は食道炎、 便秘、 およびリンパ球減少症であり、 治療関連死亡の報告はなかった。
CR率は73% (95%CI 58-84%)、 1年OS率は92.7% (95%CI 79.0-97.6%)、 1年PFS率は65.4% (95%CI 48.6-77.9%) であった。
免疫関連遺伝子発現を評価する探索的バイオマーカー解析も実施されたが、 得られた所見は参考データの域に留まるとみなすべきとされた。
著者らは 「ニボルマブ+CRT併用は、 食道扁平上皮癌患者において実施可能であり、 許容可能な安全性プロファイルを示した。 探索的バイオマーカー解析で得られた所見のさらなる検証をより大規模な対照試験で行う必要がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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