【CheckMate 649】未治療胃癌へのニボルマブ+化学療法、 4年時もOSとPFSを改善
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HOKUTO編集部

3日前

【CheckMate 649】未治療胃癌へのニボルマブ+化学療法、 4年時もOSとPFSを改善

【CheckMate 649】未治療胃癌へのニボルマブ+化学療法、 4年時もOSとPFSを改善
未治療の切除不能な進行性または転移性の胃/食道胃接合部/食道腺癌において、 抗PD-1抗体ニボルマブ+化学療法併用療法の有効性および安全性について、化学療法単独を対照に検証した第Ⅲ相無作為化比較試験CheckMate 649の4年追跡結果より、48ヵ月後もOSおよびPFSが有意に改善していることが示された。 がん研有明病院副院長/消化器内科部長/消化器化学療法科部長の山口研成氏が発表した。

背景

中間解析でニボルマブ併用療法の有効性・安全性は報告済

CheckMate 649試験の中間報告(追跡期間1年)では、 ニボルマブ+化学療法は化学療法単独と比較し、 全生存期間 (OS) と無増悪生存期間(PFS)の有意な改善が示され、 忍容性も良好であった。 今回は、 同試験における4年間の長期成績結果が報告された。

試験の結果

今回は、 最小追跡期間48.1ヵ月*におけるニボルマブ+化学療法 (NIVO+chemo) 群(789例)と化学療法単独 (chemo) 群 (792例)の結果が報告された。

*データカットオフ日: 2023年5月29日

4年時OSは17%、 死亡リスクを30%低減

PD-L1 CPS≧5集団

主要評価項目であるPD-L1 CPS≧5集団におけるOS中央値は以下の通りで、 中間報告と同様にOSの有意な改善が示された。

  • NIVO+chemo群 : 14.4ヵ月
(95%CI 13.1-16.2ヵ月)
  • chemo群 : 11.1ヵ月
(同 10.1-12.1ヵ月)
HR 0.70(同 0.61-0.81)

48ヵ月OS率はNIVO+chemo群が17% / chemo群が8%だった。

全集団

副次評価項目である全集団のOS中央値は以下の通りで、 中間報告と同様にOSの有意な改善が示された。

  • NIVO+chemo群 : 13.7ヵ月
(95%CI 12.4-14.5ヵ月)
  • chemo群 : 11.6ヵ月
(同 10.9-12.5ヵ月)
HR 0.79(同 0.71-0.88)

48ヵ月OS率はそれぞれ13% / 8%だった。

PD-L1 CPS≧1集団

また、 PD-L1 CPS≧1集団におけるOS中央値は以下の通りで、 全集団およびPD-L1 CPS≧5集団と同様にNIVO+chemo群で有意な改善が示された。

  • NIVO+chemo群 : 13.8ヵ月
(95%CI 12.4-14.8ヵ月)
  • chemo群 : 11.4ヵ月
(同 10.7-12.3ヵ月)
HR 0.75(同 0.67-0.85)

48ヵ月OS率はそれぞれ15% / 7%だった。

OSサブ解析

OSサブグループ解析の結果、 全患者集団およびPD-L1 CPS≧5集団の全てのサブグループにおいて、 NIVO+chemo群のchemo群に対する優位性が認められた。

PFS中央値もPD-L1に関わらず改善維持

PD-L1 CPS≧5集団

主要評価項目であるPD-L1 CPS≧5集団におけるPFS中央値は以下の通りで、 中間報告と同様にPFSの有意な改善が見られた。

  • NIVO+chemo群 : 8.3ヵ月
(95%CI 7.0-9.3ヵ月)
  • chemo群 : 6.1ヵ月
(同 5.6-6.9ヵ月)
HR 0.71(同 0.61-0.82)

48ヵ月PFS率はNIVO+chemo群が12% / chemo群が7%だった。

全集団

副次評価項目である全集団におけるPFS中央値は以下の通りだった。

  • NIVO+chemo群 : 7.7ヵ月
(95%CI 7.1-8.6ヵ月)
  • chemo群 : 6.9ヵ月
(同 6.7-7.2ヵ月)
HR 0.80(同 0.71-0.89)

48ヵ月PFS率はそれぞれ9% / 5%であり、 48ヵ月時に約1割の患者が1次治療を継続していることが明らかにされた。

PD-L1 CPS≧1集団

また、 PD-L1 CPS≧1集団におけるPFS中央値は以下の通りだった。

  • NIVO+chemo群 : 7.5ヵ月
(95%CI 7.0-8.4ヵ月)
  • chemo群 : 6.9ヵ月
(同 6.2-7.1ヵ月)
HR 0.77(同 0.68-0.88)

48ヵ月PFS率はそれぞれ10% / 5%だった。

PFS2

48ヵ月後のPFS2*は、 全患者集団 / PD-L1 CPS≧5集団のいずれにおいても、 NIVO+chemo群がchemo群に比べて良好な結果だった (HR 0.76 / HR 0.67)。

*無作為化から後治療開始後の病勢進行、 2回目の後続治療の開始、 または死亡のいずれかが発生するまでの期間

長期追跡後もORRを維持

PD-L1 CPS≧5集団におけるORRはNIVO+chemo群が60%(95%CI 55-65%)、 chemo群が45%(同 40-50%)、

全患者ではそれぞれ58%(同 54-62%)、 46%(同 42-50%)であり、 中間報告と同様にNIVO+chemo群で高いORRが維持された。

奏効期間は、 PD-L1 CPS≧5集団ではそれぞれ9.6ヵ月(同 8.3-12.4ヵ月) / 7.0ヵ月(同 5.7-8.0ヵ月)、 全集団では8.5ヵ月(同 7.7-9.9ヵ月) / 6.9ヵ月(同 5.9-7.6ヵ月)だった。

PD-L1 CPS≧5で腫瘍80%以上縮小の4年OS率が49%

PD-L1 CPS≧5集団に限定すると、 腫瘍が80%以上縮小した患者の4年OS率は、 NIVO+chemo群(86例)49%、 chemo群(61例)25%であり、 NIVO+chemo群の約半数の患者が4年後も生存している結果となった。

新たな安全性シグナルは検出されず

Grade3~4の治療関連有害事象 (AE) 発現率はNIVO+chemo群が60%、 chemo群が45%だった。 治療中止に至った治療関連AE発現率は42%、 26%だった。

結論

ニボルマブ+化学療法併用をさらに支持

山口氏は 「未治療の切除不能な進行性または転移性の胃/食道胃接合部/食道腺癌患者に対するニボルマブ+化学療法の併用療法は、 化学療法単独と比較し、 4年の長期追跡後もPFSとOSへの有効性が維持され、 1次標準治療としての使用がさらに支持される結果となった」 と報告した。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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