【NEJM】広範囲に及ぶ脳梗塞、 血管内血栓除去術が有効 (SELECT2試験)
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【NEJM】広範囲に及ぶ脳梗塞、 血管内血栓除去術が有効 (SELECT2試験)

【NEJM】広範囲に及ぶ脳梗塞、 血管内血栓除去術が有効 (SELECT2試験)
Sarrajらは、 広範囲に及ぶ脳梗塞患者を対象に、 発症後24時間以内の血管内血栓除去術の有効性を前向き無作為化非盲検適応国際共同試験で検討 (SELECT2試験)。 その結果、 血管内血栓除去術は内科的治療より良好な機能予後を示したが、 血管合併症を伴った。 本研究は、 NEJM誌において発表された。

📘原著論文

Trial of Endovascular Thrombectomy for Large Ischemic Strokes.N Engl J Med. 2023 Feb 10. doi: 10.1056/NEJMoa2214403.PMID: 36762865

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

Yoshimura NEJM 2022の有効性について、 Alteplaseのdoseが少ないこと、 日本人のみの結果での懸念がありましたが、 本研究で証明されたといえると思います。 広範囲脳梗塞に対する介入でも、 当初から懸念されていた出血、 脳浮腫、 死亡が内科的治療群と同程度であったことは大変重要な結果です。

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FACE2AD

病院前の脳梗塞評価スケール

TOAST分類

脳硬塞の病型分類

背景

広範囲に及ぶ脳梗塞患者に対する血管内血栓除去術の有効性と安全性を検討した試験は、 限られた集団で実施されたものである。

研究デザイン

対象

内頸動脈または中大脳動脈M1セグメント閉塞による脳梗塞患者

Alberta Stroke Program Early Computed Tomography Score:3~5、 または虚血性コア体積が大きい症例 (CTまたは拡散強調MRIでコア体積が50mL以上と定義)

介入

患者は1:1の割合で、 以下の群に割り付け。

血管内血栓除去術+内科的治療:178名

内科的治療のみ:174名

主要評価項目

90 日時点のmodified Rankin scale (mRS)スコア

副次評価項目

機能的自立度

研究結果

有効性が確認されたため試験は早期に中止された。

Modified Rankin Scaleスコア

血管内血栓除去術の方が、 mRSスコアの良好な転帰への分布の移動が早く、 その一般化オッズ比は1.51 (95%CI 1.20-1.89、 P<0.001) であった。

機能的自立

血管内血栓除去術群の20%と内科的治療群の7%の患者が機能的自立を得た。

RR 2.97、 95%CI 1.60-5.51

死亡率

死亡率は両群で同程度であった。

血管内血栓除去術群の血管合併症

動脈アクセス部位の合併症:5名

解離:10名

脳血管穿孔:7名

一過性血管攣縮:11名

症候性頭蓋内出血

症候性頭蓋内出血は血栓溶解療法群に1名、 内科的治療群に2名発生した。

結論

広範囲に及ぶ脳梗塞患者において、 血管内血栓除去術は内科的治療より良好な機能予後を示したが、 血管合併症を伴った。 脳出血は両群ともまれであった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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