【NEJM】Claudin18.2陽性胃癌にゾルベツキシマブ併用が有効 : SPOTLIGHT・GLOWの統合解析
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海外ジャーナルクラブ

2ヶ月前

【NEJM】Claudin18.2陽性胃癌にゾルベツキシマブ併用が有効 : SPOTLIGHT・GLOWの統合解析

【NEJM】Claudin18.2陽性胃癌にゾルベツキシマブ併用が有効 : SPOTLIGHT・GLOWの統合解析
国立がん研究センター消化管内科の設楽紘平 氏らの研究グループは、 Claudin 18.2陽性の切除不能・再発の胃または胃食道接合部腺癌の患者を対象に、 抗Claudin 18.2抗体ゾルベツキシマブ+化学療法の長期の有効性を確認する目的で、 2件の第Ⅲ相試験 (SPOTLIGHT、 GLOW) の統合解析を行った。 その結果、 ゾルベツキシマブ+化学療法により無増悪生存期間 (PFS) および全生存期間 (OS) をいずれも有意に延長することが改めて確認された。 本研究は、 NEJM誌にて発表された。 

📘原著論文

Zolbetuximab in Gastric or Gastroesophageal Junction Adenocarcinoma. N Engl J Med. 2024 Sep 16. PMID: 39282934

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

原著論文ではなく短報 (Correspondence) なので、 その点は注意が必要です。

💬関連プレスリリース

国立がん研究センターからのお知らせ(24/9/18)

クローディン18.2陽性胃がんに対するゾルベツキシマブと化学療法併用による長期の生存延長効果を公表

背景

生存結果に関するSPOTLIGHT、 GLOWの統合解析

ゾルベツキシマブと標準的な化学療法の併用療法はSPOTLIGHT、 GLOWのいずれの試験においてもPFSおよびOSの有意な改善を認めた。

しかし、 これらは国際共同試験として実施されたため、 国別に患者登録数に差異があるほか、 化学療法の内容も異なっていた。 そこで今回、 生存結果について、 2件の試験の結果を統合した最終解析が実施された。

研究デザイン

Claudin 18.2陽性のG/GEJ癌を対象に、 生存転帰を再評価

SPOTLIGHTまたはGLOWに登録されたClaudin 18.2陽性の切除不能・再発の胃または胃食道接合部腺癌 (G/GEJ癌) 患者1,072例が、 以下の群に無作為に割り付けられた。

  • ゾルベツキシマブ併用群 : 537例
SPOTLIGHTではmFOLFOX6療法、 GLOWではCapeOX療法と併用された。
  • プラセボ群 : 535例
プラセボと化学療法 (化学療法単独) が併用された。

主要評価項目としてPFS、 副次評価項目としてOS、 客観的奏効率 (ORR)、 奏効期間 (DOR)、 安全性、 患者報告アウトカムなどが設定された。

研究結果

PFS、 OSいずれもゾルベツキシマブ併用群で改善

PFS中央値はゾルベツキシマブ併用群では9.2ヵ月で、 プラセボ群の8.2ヵ月に対し、 増悪・死亡リスクを29%低減した(HR 0.71、 95%CI 0.61-0.83)。

【NEJM】Claudin18.2陽性胃癌にゾルベツキシマブ併用が有効 : SPOTLIGHT・GLOWの統合解析
国立がん研究センタープレスリリース(24/9/18)より引用

OS中央値はゾルベツキシマブ併用群で16.4ヵ月で、 プラセボ群の13.7ヵ月に比して死亡リスクを23%低減した (HR 0.77、 95%CI 0.67-0.89)

【NEJM】Claudin18.2陽性胃癌にゾルベツキシマブ併用が有効 : SPOTLIGHT・GLOWの統合解析
国立がん研究センタープレスリリース(24/9/18)より引用

生存延長効果が確認されるも、 腫瘍縮小効果は大きな差を認めず

サブグループ解析では一貫した生存延長効果が確認され、 2件の試験のそれぞれにおいても生存延長効果が確認された (SPOTLIGHT試験のOS中央値 : 18.2ヵ月 vs 15.6ヵ月、 GLOW試験 : 14.4ヵ月 vs 12.2ヵ月)。 一方、 腫瘍縮小効果については両群で大きな差を認めなかった。

最も頻度の高い有害事象は悪心・嘔吐

最も頻度の高い有害事象は悪心 (ゾルベツキシマブ併用群76.0%、 プラセボ群56.2%)、 嘔吐 (ゾルベツキシマブ併用群66.8%、 プラセボ群34.2%) であり、 新たな安全性における懸念は認められなかった。 これらの有害事象は初回投与時に多く、 その後は頻度が減少することが両試験で確認されている。

結論

ゾルベツキシマブ+化学療法を標準治療として支持

著者らは、 「Claudin 18.2陽性の切除不能・再発の胃または胃食道接合部腺癌患者において、 ゾルベツキシマブ+化学療法は、 PFSおよびOSを延長することが改めて確認された。 ゾルベツキシマブ+化学療法は標準治療の選択肢として支持される」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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