HOKUTO編集部
4ヶ月前

未治療の慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫 (CLL/SLL) において、 非共有結合型ブルトン型チロシンキナーゼ (BTK) 阻害薬 (ncBTKi) ピルトブルチニブの有効性および安全性を、 ベンダムスチン+抗CD20抗体リツキシマブ (BendaR) を対照に検証した第III相無作為化比較試験BRUIN CLL-313の結果から、 PFSが有意に改善した。 ポーランド・National Research Institute of OncologyのWojciech Jurczak氏が発表した。
未治療CLL/SLL患者に対しては、 共有結合型BTK阻害薬 (cBTKi) による予後改善効果は示されている一方で、 非共有結合型BTK阻害薬 (ncBTKi) についてはこれまで第III相試験で評価したデータはなかった。
ncBTKiピルトブルチニブについては、 再発・難治性CLL/SLL患者 (cBTKi既治療例を含む) に対する第I/II相試験において既に安全性と有効性が示されている¹⁾。
対象は、 全身療法歴のないCLL/SLL (17p欠失例を除く) で、 血小板数≥75×10⁹/L (骨髄浸潤例では≥50×10⁹/L)、 ヘモグロビン≥8g/dL、 好中球数≥0.75×10⁹/Lを満たす患者だった。
282例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
BendaR群で疾患進行 (PD) が確認された場合、 ピルトブルチニブ群へのクロスオーバーが許可された。
主要評価項目はiwCLL 2018基準に基づく無増悪生存期間 (PFS) であり、 副次評価項目は全生存期間 (OS)、 iwCLL 2018基準に基づく奏効率 (ORR) などだった。
年齢中央値、 性別などの患者背景は両群でバランスが取れていた。 IGHV遺伝子未変異の割合は両群ともに56.7%で、 Raiステージ分類0-IIはピルトブルチニブ群が62.6%、 BendaR群が62.8%、 ステージIII-IVはそれぞれ37.4%/37.2だった。
追跡期間中央値はピルトブルチニブ群28.1ヵ月、 BendaR群28.3ヵ月であった。 24ヵ月PFS率は、 ピルトブルチニブ群が93.4% (95%CI 87.6-96.5%) であり、 BendaR群の70.7% (同 61.5-78.1%) に比べて有意に改善した (HR 0.20 [同 0.11-0.37]、 p<0.0001)。
またピルトブルチニブ群の優位性は、 IGHV遺伝子変異の有無や11q欠失の有無を含む事前に規定された全てのサブグループにおいて、 一貫して認められた。
ORRは、 ピルトブルチニブ群が94.3% (95%CI 89.1–97.5%)、 BendaR群が80.9% (同 73.4–87.0%) と、 ピルトブルチニブ群で良好な結果だった。
OSに関してはimmatureだったものの、 BendaR群はPD後に52.9%がピルトブルチニブへクロスオーバーしたにも関わらず、 ピルトブルチニブ群で良好な傾向が示された (HR 0.26 [同 0.07-0.93]、 p=0.0261)。 なお、 中間解析におけるOSの統計学的検定は厳格な有意水準*が設定されており、 有意差の判定には至っていない。
治療期間中央値はピルトブルチニブ群が32.3ヵ月、 BendaR群が5.6ヵ月だった。 Grade3以上の治療中に発現した有害事象 (TEAE) の発現率は、 それぞれ40.0%/67.4%で、 治療中止に至ったTEAEは4.3%/15.4%とピルトブルチニブ群で少なかった。 注目すべき点として、 心房細動/粗動のAE発現率 (全Grade) は1.4%/1.5%であり、 75歳以上の高齢者においても5.0%/4.3%と低頻度だった。
Jurczak氏は 「未治療CLL/SLL患者において、 ピルトブルチニブは新たな標準治療候補であり、 特に治療ラインが限られる高齢患者において有用となる可能性が示唆された」 と報告した。
¹⁾ Lancet. 2021 Mar 6;397(10277):892-901.

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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