HOKUTO編集部
1年前
早期非小細胞肺癌 (NSCLC) に対する体幹部定位放射線治療 (SABR)に免疫チェックポイント阻害剤 (ICI) を追加する有効性および安全性をSABR単独を対照に比較検証した米国におけるランダム化比較試験I-SABRにおいて、 抗PD-1抗体ニボルマブの追加は無増悪生存期間 (PFS) を有意に改善した。 米国・MD Anderson Cancer CenterのJoe Y. Chang氏が報告した。
早期NSCLCに対するSABRの治療成績は、 手術施行群と比較して、 5年時の全生存率 (OS) と無進行生存 (PFS) は差を認めないものの、 5年時再発率は著明に高かった (17.6% vs. 8.0%) ことが報告されている (Lancet Oncol 2021; 22: 1448-1457) 。 一方、 放射線療法には免疫賦活が示唆されているため、 ICIとの相乗効果が期待されている (Bernstein MB, et al. 2016) 。 そのため今回、早期NSCLCに対するSABRへのICI併用の生存への影響を検討することとした 。
SABR適応のある早期 (ステージIA-IB、 IIA、 IIB) 、 または孤立性肺実質再発NSCLCで以下などを満たした156例
SABR単独群とSARB+ICI併用群にランダム化、 4年間観察。
SARB+ICI併用群では、ニボルマブ 480mgを4週ごとに投与した。
プロトコール遵守解析集団 (Per protocol)
HR 0.38 (95%CI 0.19-0.75) 、 P=0.0056
サブグループ解析
肺癌既往の有無、 腫瘍径 (0-2cm vs 2-5cm) 、 PD-L1発現の有無を問わず、 SABR+ICI併用群のSABR単独群に対する優位性は一貫して認められた。
SABR+ICI併用群、 SABR単独群でそれぞれ、 Grade2以上の疲労を9例、 1例、 肺炎を2例、 1例で認めた。
早期、 または孤立性肺実質再発NSCLCに対するSABR+ニボルマブ併用療法は、SABR単独に比べ4年間のEFSを改善し、 毒性は忍容可能だった。 これらの患者ではSABR+ICI併用を考慮すべきである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。